【モスクワ=緒方賢一】ロシアのラブロフ外相は21日の岸田外相との会談で、北方領土の帰属問題を解決し平和条約を結ぶとしたソ連崩壊後の諸合意を否定するような主張を展開し、日本に対し厳しい姿勢を打ち出した。 「第2次大戦から引き継ぐ問題の(日本側の)歴史的な見解が、平和条約締結の最も深刻な妨げである」 ラブロフ氏は会談後、岸田氏との共同記者会見でこう強調した。これは北方領土について「戦争の結果、ロシア(ソ連)領になった」との主張を受け入れない日本への批判だ。 戦後70年の今年、ロシアは中国とともに「戦勝国」の立場を国内外に誇示している。プーチン露大統領は今月3日、中国の「抗日戦争勝利70年」記念行事に出席し、日本をけん制した。