まえがき以下に公開するのは、公益社団法人日展著『美の表現者たち―現代の日展』(世界文化社、2023年)の書評である。過去に依頼された原稿だが、結果的に不掲載になった。 今回の公開の論点はあくまで日展の、過去の入選審査不正問題を「見えづらくしている」点、美術の世界の立場を利用した「責任回避」問題にある。後で書くが、現代美術の世界でも、大きな問題が起きつつある。美術外部の状況も踏まえ、公開する意味があると考えた。 日展も日本の現代美術も爆発しろ 『美の表現者たち──現代の日展』 日展出品者のインタビュー集。書評の必要がない本である。関係者内で流通することで予定の売上が出る。出版社にとって大事な、数字の立つ一冊だ。それ以上外部に知らせる理由はない。犯罪的内容でもない。個々人が研鑽して作家と名乗りえるようになった経緯は尊重できる。論点は、そのような研鑽を可能にした構造への検討が無い点だ。 わざわざ

