「女が差別されている」「いや、男の方がつらい」などと、今日もネットではバトルが繰り広げられている。統計的事実からすれば、どちらの主張も可能であるにもかかわらず、お互いに攻撃し合い、対立の度合いを深めていく泥沼とも言える事態が生じているのが現在だ。かようにネットで展開しがちな男女論、フェミニズムとミソジニストの衝突に一見見える対立を解きほぐし、丁寧に中間の領域の議論を積み重ね、対立図式からの脱却を目指す新連載。その方法論となる「男性学2.0」とはいかなる理論か。女性・男性問わず読んでいただきたい考察。 傷を負った者の文化──「敗者の文化」としての戦後オタク文化 前回までに、二〇世紀の惨劇こそが、「男性性」と核戦争や大量虐殺とファシズムを結びつけ、男性性に対する極めてネガティヴなイメージを形成したことを確認した。そのような男性性への「傷」「汚点」を踏まえた上で、「男性性」「男らしさ」を回復し擁

