韓国には旅行者を含む約5万7千人の日本人が在留しており、政府は最終的には自衛隊を活用した退避支援を想定している。ただ、韓国国内には自衛隊が同国内で活動することに反発があり、邦人退避が円滑に進む保証はない。 政府は1994年の朝鮮半島危機を受けて非戦闘員退避活動(NEO)計画作成に着手し、数回の見直しを行っている。朝鮮半島の緊張が高まった段階では、渡航自粛や民間機での退避を促す。有事が発生すれば韓国国内のシェルターに避難し、あらかじめ指定した場所に集合する。ここから空港や港湾に移動し、韓国から避難する手順だ。 国外の邦人輸送で指揮を執った経験がある元航空支援集団司令官の永岩俊道氏は「自衛隊の輸送能力には限界がある。必要な数の100分の1も運べない」と述べ、民間航空会社などの協力が必要だと指摘する。 海上輸送に関し、政府は釜山や仁川など韓国国内の港湾施設5カ所のうち利用可能な港湾から輸送する案