[Simon Wren-Lewis, “A hostile environment,” Mainly Macro, April 23, 2018] 移民に関する通説では,こんな風に考える――イギリスにやってくる移民が増加したことに国民の間で懸念が高まったことで連立政権は移民受け入れの上限目標を設定することとなり,その目標を達成するための方策を実施した.移民を抑止する「敵対的環境」をつくりだすのは,こうした対策の一環だった.ウィンドラッシュ世代の移民〔1948年にイギリス領植民地から本国への移住・定住が合法化されてイギリスにやってきた世代〕やその子孫たちは,目標達成に熱心すぎたりやたら官僚主義的だったりする当局の不運な犠牲者となっているのだ―― こういう通説は,ほぼすべてが間違っている.これまでずっと移民はよく思われてこそいなかったが,世論調査に反映された積極的な懸念は高まっている.こうなっ