著者のアトキンソンは、ピケティによって「格差」や「不平等」が経済学の中心的テーマの一つとなる前から、長年、不平等について研究してきたイギリスの経済学者で、山形浩生による「訳者はしがき」によれば「ピケティの師匠格と言ってもいい存在」(xiiip)だそうです。 そんなアトキンソンが、一般向けの本として書いたのがこの本。 とにかく不平等を是正するための具体的な政策が数多くとり上げっれているのがポイントで、後で紹介しますが、この本ではイギリスを念頭に不平等を是正するための15の提案を行っています。 しかも、その提案の多くには数字的な裏付けがあり(もちろん、著者の想定通りいくとは限らないでしょうが)、スタンダードな経済学から寄せられるであろう反論にも答えています。 三部仕立ての本で、第一部では不平等の現状、歴史、測定の仕方などについて述べています。 このあたりはピケティの『二一世紀の資本』と重なって
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