ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (5)

  •  アンソニー・B・アトキンソン『21世紀の不平等』 - 西東京日記 IN はてな

    著者のアトキンソンは、ピケティによって「格差」や「不平等」が経済学の中心的テーマの一つとなる前から、長年、不平等について研究してきたイギリスの経済学者で、山形浩生による「訳者はしがき」によれば「ピケティの師匠格と言ってもいい存在」(xiiip)だそうです。 そんなアトキンソンが、一般向けのとして書いたのがこの。 とにかく不平等を是正するための具体的な政策が数多くとり上げっれているのがポイントで、後で紹介しますが、このではイギリスを念頭に不平等を是正するための15の提案を行っています。 しかも、その提案の多くには数字的な裏付けがあり(もちろん、著者の想定通りいくとは限らないでしょうが)、スタンダードな経済学から寄せられるであろう反論にも答えています。 三部仕立てので、第一部では不平等の現状、歴史、測定の仕方などについて述べています。 このあたりはピケティの『二一世紀の資』と重なって

     アンソニー・B・アトキンソン『21世紀の不平等』 - 西東京日記 IN はてな
    tick2tack
    tick2tack 2024/05/29
    不平等是正のための15の提案が書かれてると。イギリス向けだが参考になるものは多そう。/ 給付を低所得家庭限定でなく全員を対象にし所得扱いとし課税することで調整する、てのややこしそうで逆にシンプルになるのか
  • トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』 - 西東京日記 IN はてな

    書を「『21世紀の資』がベストセラーになったピケティが、現代の格差の問題とそれに対する処方箋を示した」という形で理解している人もいるかもしれません。 それは決して間違いではないのですが、書は、そのために人類社会で普遍的に見られる聖職者、貴族、平民の「三層社会」から説き始め、ヨーロッパだけではなく中国やインド、そしてイランやブラジルの歴史もとり上げるという壮大さで、参考文献とかも入れると1000ページを超えるボリュームになっています。 ここまでくるとなかなか通読することは難しいわけですが(自分も通勤時に持ち運べないので自宅のみで読んで3ヶ月近くかかった)、それでも読み通す価値のある1冊です。 書で打ち出された有名な概念に「バラモン左翼」という、左派政党を支持し、そこに影響を与えている高学歴者を指し示すものがあるのですが、なぜそれが「バラモン」なのか? そして、書のタイトルに「イデ

    トマ・ピケティ『資本とイデオロギー』 - 西東京日記 IN はてな
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    tick2tack 2024/01/07
    共産圏の資本主義化の話とか面白い。/ 社会仮説: 教育面で恵まれない層が左派政党はいまや恵まれた層を支持してると信じてる。市場自国主義: トランプのような右派的権威主義。/ ”社会連邦主義が必要だとピケティ”
  • 竹中佳彦・山本英弘・濱本真輔編『現代日本のエリートの平等観』 - 西東京日記 IN はてな

    近年、日でも格差の拡大が問題となっていますが、その格差をエリートたちはどのように捉えているのでしょうか? 書は、そんな疑問をエリートに対するサーベイ調査を通じて明らかにしようとしたものになります。 このエリートに対する調査に関しては、1980年に三宅一郎・綿貫譲治・嶋澄元の3人が実施し、分析から蒲島郁夫が加わった「エリートの平等観」調査という先行する調査があり、今回の調査(2018−19年調査)はそれを引き継ぎながら比較も試みています。 1980年と現在では個人情報に対する意識が違いますし、また当人の「エリートとしての自負」のようなものも違うはずで、調査票の回収にはかなり苦労したようですが、現在に日の平等観を考える上で興味深い知見がいくつも示されています。 目次は以下の通り 序[竹中佳彦] 第Ⅰ部 平等をめぐる理論と文脈 第1章 平等をめぐる理論と文脈[竹中佳彦・近藤康史・濱真輔]

    竹中佳彦・山本英弘・濱本真輔編『現代日本のエリートの平等観』 - 西東京日記 IN はてな
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    tick2tack 2022/09/12
    エリート:“「政治、経済、マスメディア、市民社会など様々な分野のフォーマルなリーダーの地位にある者」” 調査データの都合からくる定義といえるか
  • ローレンス・サマーズ、ベン・バーナンキ、ポール・クルーグマン、アルヴィン・ハンセン著/山形浩生編訳『景気の回復が感じられないのはなぜか』 - 西東京日記 IN はてな

    サマーズが口火を切り、バーナンキやクルーグマンとの間で2013〜15年にかけて行われた長期停滞論争を山形浩生が訳しまとめたもの。アルヴィン・ハンセンは1930年代に長期停滞という概念を提唱した経済学者で、このにはその演説「経済の発展と人口増加の鈍化」の抄訳も収録されています。 目次は以下の通り。 はじめに――長期停滞論争(山形浩生) 1 アメリカ経済は長期停滞か?(ローレンス・サマーズ) 2 遊休労働者+低金利=インフラ再建だ! ――再建するならいまでしょう! (ローレンス・サマーズ) 3 財政政策と完全雇用(ローレンス・サマーズ) 4 なぜ金利はこんなに低いのか(ベン・バーナンキ) 5 なぜ金利はこんなに低いのか 第2部――長期停滞論(ベン・バーナンキ) 6 なぜ金利はこんなに低いのか 第3部――世界的な貯蓄過剰(ベン・バーナンキ) 7 バーナンキによる長期停滞論批判に答える(ローレン

    ローレンス・サマーズ、ベン・バーナンキ、ポール・クルーグマン、アルヴィン・ハンセン著/山形浩生編訳『景気の回復が感じられないのはなぜか』 - 西東京日記 IN はてな
  •  アンガス・ディートン『大脱出』 - 西東京日記 IN はてな

    2015年のノーベル経済学賞受賞者、アンガス・ディートンが健康と富と格差の歴史と現状を語った。裏表紙に書かれている紹介文は以下のようになっています。 世界はより良くなっている――より豊かになり、より健康になり、平均寿命は延びている。 しかしその反面、貧困という収容所から「大脱出」を果たせずに取り残された国や人々がいる。 産業革命以来の経済成長は、大きな格差も生んだのだ。経済発展と貧しさの関係について最先端で研究を続けてきた著者が、250年前から現在までを歴史的にたどりながら、成長と健康の関係を丹念に分析することで、格差の背後にあるメカニズムを解き明かす。(略) そして目次は以下のとおり。 序章 書で語ること 第1章 世界の幸福 第 I 部 生と死 第2章 有史以前から1945年まで 第3章 熱帯地方における死からの脱出 第4章 現代世界の健康 第 II 部 第5章 アメリカの物質的幸福

     アンガス・ディートン『大脱出』 - 西東京日記 IN はてな
    tick2tack
    tick2tack 2017/11/18
    視野広く常識と違う視点で面白そう。/ 援助は貧困者でなく政府への影響を考えろと。援助の難しさすごいな。えらい人たちが頭絞ってやってるはずだろうに。社会の改善は結果を急ぐと歪みが出るものなんだと思う。
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