ぎふ この1年〜取材メモから1. 法律や規則は何のためにあるのか。岐阜市の一連の不正経理をみていると、そんな疑問がわき上がる。 「市長の日当と宿泊料を調整(減額)しないことが慣例になっていた」。市の内部調査委員会は10月、出張費不正問題の背景をこう結論づけた。市長のスケジュールは流動的で事前調整が難しく、職員が事後の確認も怠ったため、出張費が本来よりも多く支給されていたというのだ。 岐阜市にも、ほかの自治体と同じように出張費を正しく支給するための条例や施行規則がある。だが、調査委の言う「慣例」に従えば、過払いは見逃されることになる。秘書課職員は、会計課の審査を通すために公文書を改ざんした。犯罪になりかねない行為が、「慣例」だからといって許されるはずがない。 ◇ 「二重取りになる場合もある」。大見富美雄・行政部長の11月議会での発言だ。議会では、新たな「改ざん」が取り上げられた。会