目 次 は じ め に 一 文化相対主義と普遍性 二 近代産業文明と人権 三 国際的関心事項 四 グローバル化と人権 むすび-グローバル化とアジアの人権 は じ め に 一九九三年のウィーンにおける世界人権会議の準備のためバンコクで行われたアジア地域会合では、人権については普遍性よりも地域の特殊性が考慮されねばならないこと、及び外国からの干渉は避けるべきことが強調された。しかしウィーンの会議では、この二点についてのアジアの主張は通らず、人権の普遍性と国際的関心事項であることが世界的に確認された。 本稿は、人権の普遍性と経済開発との関係及び国際的関心事項の意味について考え、グローバル化の時代の人権尊重とアジアの人権の観点がどう結び付くのかを探ろうとした、いわば試論というべき一小論である。 一 文化相対主義と普遍性 1 バンコク宣言 一九九三年にウィーンで国連の世界人権