ニューヨークタイムズ紙に「驚異のダンサー」と評された森山開次。教育番組では人間の内臓を踊り、朝から子どもたちに強烈な印象を与える。森山を突き動かすのは、人を励ましたいという想い。「誰にでも、一歩先の未来がある。」だが、学生時代の森山は生活に追われ、目標を見つけられずにいた。(武藤あずさ・早稲田大学) 「脳」「膀胱」「大腸」「胆嚢」。 朝7時35分、NHK教育テレビ。森山開次は全身で内臓を表現する。人間というよりも「カイジくん」という別の生き物。「こわい」「すてき」「おもしろい!」子どもたちの母親がネットに感想を残していく。一度見たら、大人も子どもも忘れることが出来ない異端な存在だ。 ■肉体を使った表現者 しかし、これは森山の一つの顔でしかない。 森山開次、Photo by Sadato Ishizuka 森山は「コンテンポラリーダンサー」と紹介されることが多い。直訳すると現代舞踊。「非古典