野村進さんが選ぶノンフィクション10冊 「重いからこそ、おもしろいっ」[掲載]2010年10月27日野村進さん■〈秋の読書特集〉人生にいつも本を/生と死描くノンフィクション 生死不明高齢者の問題、幼児虐待死事件……。私たちの社会は何を見落とし、失ってきたのだろうか。生と死を考えるうえで基本になるノンフィクションの名作を、ノンフィクション作家の野村進さんにあげてもらった。 ◇ 現代の「生と死」を描いたノンフィクションって、これ読んだだけで、若いヤツはぜったい「オモッ!」て言うだろう。「気持ち悪い」を「キモッ!」て言うみたいに。 でも「重い」だけでは片付けてもらいたくない。重いけれど、おもしろい。いや、重いからこそ、おもしろいって、そんなふうに誘い込みたい。 ◇ それにしても、いきなり『心臓を貫かれて』じゃハードすぎるかな。著者の兄ゲイリー・ギルモアは、1976年に2人を射殺したあげく、自ら志