<日本人は伝統文化を知らなすぎる...価値に気付く仕掛けが必要だと、「日本伝統文化検定」を立ち上げた時事通信社社長の境克彦は語る> 日本の伝統文化は瀕死の状況だ。今年は、1月の能登半島地震で石川県の輪島塗が存亡の危機に陥った。特に過疎高齢化が進む地方では、人がいなくなれば地域の伝統文化そのものが消滅してしまう。 伝統的工芸品産業振興協会によると、2020年度に伝統的工芸品の生産に携わる従業員数は5万4000人で、1980年ごろと比べて8割強減っている。代替できない技術を持ち継承し得る人が、既に5万4000人しかいない。 そんななか昨年末、時事通信社が中心となって「日本伝統文化検定(伝検)協会」を立ち上げた。9月20日には、11月29日~来年1月31日に開催される第1回検定の申し込み受付を開始している。 なぜ今、報道機関である時事通信社が日本の伝統文化の、しかも検定事業を始めたのか。伝検協会