ブックマーク / lambamirstan.hatenablog.com (27)

  • 安易な逃げ道の後始末 - 和尚さんの水飴

    自分に吐く嘘 以前の記事で、人を傷つけないための“事実を告げない”嘘について触れたことがあります。 lambamirstan.hatenablog.com 「嘘」と言うと、大概、事実と異なることを言ったり思ってもいないことを口に出したりすることですが、知っているのに知らないふりをするのも、また嘘のひとつです。 嘘は発覚さえしなければ、当の人以外にとって、それは嘘にはなりません。しかし、嘘はいつか綻び始め、取り繕うとして嘘に嘘を重ねることになります。小さな嘘の綻びを繕うことを繰り返していると、後戻り出来ないほどの大きな嘘になってしまいます。 自分の気持ちに対する嘘は最も質の悪い嘘です。相手に対する気遣いからだとしても、自分の音を隠し続ければそれだけ自分の望んでいない状態が続きます。自分の音に立ち返ろうとすれば、これまでの親しい関係を壊してしまうかもしれない。それを恐れて嘘を繰り返してし

    安易な逃げ道の後始末 - 和尚さんの水飴
  • 不幸のみちづれ - 和尚さんの水飴

    つらい経験と不幸せ 先日起こった電車内での殺人未遂事件。重傷を負った被害者について、報道によれば、容疑者はその服装が「勝ち組」っぽいものだったことを理由に挙げているようです。自分よりうまく行っていそうな誰かを傷つけても自分が変われるわけでは無く、結局は八つ当たりでしかありません。 過去にも、自暴自棄になった者が無差別殺傷を起こした事件がありました。自分を不幸だと思うのは自由ですが、関係無い他者を自己憐憫のみちづれにすると言う発想は理解出来ません。 思い描いたとおりの人生を送っている人はどれくらいいるのでしょうか。私は、能天気な目標を立ててはそのとおりにならず、挫折したり失望したりしながらも、そのたびに気を取り直して生きてきました。 「蒔かぬ種は生えぬ」。うまく行かなかったからと、そこで立ち止まってしまっては全て終わり。動き続けなければ、棚の上のぼたも落ちて来てはくれない – と私は思いま

    不幸のみちづれ - 和尚さんの水飴
  • 食事に感謝 - 和尚さんの水飴

    野菜がたくさん 毎年、この時期は家族そろって夏バテ気味で、事もあっさりしたものが中心になります。 昨年の今頃、の闘病生活が始まるまでは、体力維持のための朝夕の散歩を欠かさなかったのですが、夫婦そろって張り切り過ぎたせいか、かえって疲れを溜めることになってしまいました。 今年は無理せず、気が向いたら夕方に少し散歩をする程度に留めています。とは言え、やはり夏バテ気味になるのは仕方の無いことなのでしょう。ここ数日の事は、昼は麺類、夜も胃もたれしないメニューになりました。 ところで、には一回り上の姉がいるのですが、姉夫婦は今年から自治体の市民農園で野菜の栽培を始めました。コロナ禍で家に引き籠りがちにならないようにとの考えだったようです。野菜作りは上手く行ったようで、先週、自分たちだけではべきれないからと収穫したものが送られて来ました。 トウモロコシに絹さや、ナスに小松菜、ミョウガ、メーク

    食事に感謝 - 和尚さんの水飴
  • 空回りする多様化 (2) - 和尚さんの水飴

    空中分解 「ワークライフバランス」、「シルバー人材の活用」、「女性社員の活躍支援」の3の柱を掲げてスタートした多様化プロジェクトでしたが、一般職全員の総合職への転換は、当の一般職の消極的な反応からとん挫しかけていました。また、一般職を廃止した後、彼女たちが行なっていたサポート業務を、派遣社員と定年退職後の再雇用嘱託に任せるとの案については、嘱託と定年間近の社員から反発が起こりました。 「シルバー人材の活用」と言うキャッチフレーズから、一部の嘱託はシニアシンクタンクのようなものを想像していました。しかし、ふたを開けてみれば、一般社員が抜けた後の穴埋め要員であることが分かりました。事務補助要員が必要であることを頭では分かっていても、社員時代の業務経験を活かす機会を奪われることは「活用」と言う言葉に逆行するものでした。そこで人事部は“折衷案”を考え出したのですが、これが火に油を注ぐことになって

    空回りする多様化 (2) - 和尚さんの水飴
  • 感謝する喜び (3) - 和尚さんの水飴

    やりたいことリスト は元々心配性で、物事を悪い方に考えがちです。病気の宣告からこれまで、先々のことについていろいろ考えていたはずです。が、病気への不安や自分の死について口に出さないのは、それによって私や娘たちとの関係性が、“家族同士”から“患者と介護者”へと変化することを避けたいからなのだと思います。病名が分かってから、何度となくは「普段どおりに接してほしい」と言います。それは、がいつまでも家族同士の関係を維持したいからなのでしょう。 以前、と私で書き始めた「エンディングノート」は途中から全く進まず、埃を被ったまま放置されています。勢いで書き始めたものの、私たちが自らのエンディングについてきちんとイメージ出来ていなかったことが理由でした。筆が止まった後、の病気や私自身の体調不良が重なったことから、エンディングノートは棚上げしたままになっています。終活よりも先に、病気を治すと言う

    感謝する喜び (3) - 和尚さんの水飴
  • 感謝する喜び (1) - 和尚さんの水飴

    畳コーナー 家のリビングの片隅に3畳ほどの畳コーナーがあります。和室は要らないけれど、フローリングだけでは味気無く、ほんの少しだけ畳を敷いたスペースが欲しい。家を建てる際にのそんな要望を形にしたのが畳コーナーでした。 つい半年前まで、私はそこで胡坐をかいて新聞を読んだり、ゴロゴロしたり。は裁縫をしたり、洗濯物を畳んだりと、お気に入りのスペースとして使っていました。 今、日中は畳コーナーには布団が敷かれ、が横になっています。寝室に独りでいるよりも、リビングにいれば、家族の目も届きます。また、洗面所への動線の便も良く、外の風景に目をやったりテレビを見たり気分転換できるので、にとっても都合が良いのです。 はこの数か月、抗がん剤治療を受けてきました。3週間に1度、病院で抗がん剤の投与を受けると、その後2週間くらいは倦怠感や発熱など薬の副作用が現れます。が辛そうにしていても、私には体をさ

    感謝する喜び (1) - 和尚さんの水飴
  • 気楽さの中の幸せ - 和尚さんの水飴

    塩おにぎりが好き 加齢とともに嗜好が変わるのは、その年齢にならないと分からないものです。若い頃は脂っこいものや濃い味付けのものが好きだった私も、揚げ物をべた翌朝に、胸やけで目を覚ますようになってからは、あっさりとしたものを好むようになりました。 一方で、昔から変わらず好きなのはお米です。朝、少し長めの散歩から帰宅すると、炊き立てのご飯を塩おにぎりにして、漬物を摘まみながらべるのが私の朝です。シンプルな事ですが、これが自分に一番合っているのだと思います。 ふと思い出したのが、大学生の頃のことです。家庭教師をしていた中学生がめでたく志望校に合格した時、そこのご家族に事に誘われました。学生同士では、まず行かないようなレストランでの事を終え、家路に着いた私は、途中のコンビニでおにぎりと缶ビールを買いました。レストランでは、親御さんを前に緊張していたのと、普段べなれないものばかりだった

    気楽さの中の幸せ - 和尚さんの水飴
  • 残光に包まれて - 和尚さんの水飴

    最愛の人の死 会社の大先輩のOさんは、退職後に生まれ故郷の新潟に戻り、たまの用事で上京する時にお互いに都合が合えば近況報告をする間柄です。 先月上旬、Oさんが都内の病院で診察を受けた帰りに、一緒に昼を摂りました。前回あったのは、3年ほど前。来年喜寿を迎える先輩の姿はその時より幾分小さく見えました。 Oさんは数年前から持病の白内障が悪化し、左目はほとんど視力を失っています。そこで私は、「そうなると、益々奥様が頼りですね」と言ったところ、「いや、あれは去年死んだ」とポツリ。余計な一言だったと私は絶句してしまいました。 思い返すと、Oさんとは私がまだ若い頃に同じ社宅に住んでいて、飲み会の帰りに誘われるままにお宅にお邪魔したことが何回かありました。いつも奥様は嫌な顔一つせず、手際よく酒の肴を作ると、酔っぱらったOさんと私に交じって一緒に飲み始めるような気さくな方でした。 仲の良いと言うだけでは表

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  • 中傷のための中傷、批判のための批判 - 和尚さんの水飴

    拒絶か、理解か 自分の考えにケチをつけられて気分が良い人はいないはずです。親切心から良かれと思ってアドバイスされたことでさえ、言い方、受け止め方によっては気分を害したり、修復不可能なほどに人間関係を壊してしまったりすることだってあります。悪気は無くても、物は言いよう。それだけ、物事の伝え方は気を遣うものです。もっとも、大半の人はそのような気遣いを自然と行なっているのではないでしょうか。 仕事でも私生活でも、人とのつながりの中で生きていれば、波風を立てずに過ごしたい人がほとんどだと思いますが、ときに、相手の気持ちはお構いなし、と言う自分位の人間が現れます。自分の考えと少しでも違う人を敵視し、拒絶する。そればかりか、故意に相手の心を傷つけるような罵詈雑言の限りを尽くして、追い込もうとする人間もいます。 また、人の揚げ足取りに喜びを感じ、歯ぎしりする相手の顔を思い浮かべて、常に粗探しをする者が

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  • 衰えと成長 - 和尚さんの水飴

    鏡の中の自分 私が中学生の頃でした。母親が洗面所の鏡の前に佇み、頭の生え際を指でなぞりながらため息を吐いていました。当時、母は40に差し掛かったばかりでしたが、白髪が気になるようでした。 その頃は、自分もそのくらいの年齢になれば白髪が生えてくるのかと、あまり深く考えもしていませんでしたが、自分が30代後半になると、ちらほらと白いものが気になるようになってきました。最初は白髪を見つけるたびに抜いていましたが、次第にそれも億劫になるほど白髪が増え、無意味な格闘は止めることにしました。 普段、自分の顔を見るのは髭剃りの時くらいですが、たまに、まじまじと鏡の中の自分を眺めると、年波に晒された中年の顔がそこにあることに愕然とします。 自分もそうなら、他人も然り。久しぶりに知人に会った時に相手の風貌が変わっていると、誰でも相応の年齢を重ねるものなのだと感じる一方で、いざ話をしてみると、そこには以前と変

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  • 優しい相談相手 - 和尚さんの水飴

    善人は騙される 前回の記事で、悩んでいる人に付け込んで私腹を肥やそうとする人間がいることを書きました。 lambamirstan.hatenablog.com しかし、それ同様に許せないのは、人の悩み事を話のネタにしたり、人の不幸を見てほくそ笑むような人間がいることです。 悩みごとを抱えて二進も三進も行かなり、自分で答えを出せなくなると、相談相手が欲しいと思うことがあります。学業や進路、仕事やプライベートの悩み。経験豊富な人のアドバイスに助けられたことがあると言う人も少なくないはずです。また、相談相手では無くても、悩みを打ち明けただけで、気分が楽になったと言う人もいると思います。 一方で、相手を間違ったために、かえって悩みが大きくなったり、新たなトラブルに巻き込まれたり、という人もいることでしょう。 私がまだ若手社員の頃、仕事のストレスなどから円形脱毛症になったことがありました。10円玉く

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  • 自分物語のラストシーン - 和尚さんの水飴

    埃を被ったエンディングノート 今年の初め、と私は自分たちのエンディングノートを作ることにしました。 (エンディングノート) その後、なかなか取り掛かれず、コロナ禍の中、足元の生活を考える方に気を取られ、いつの間にかエンディングノートはリビングの片隅で埃を被ったままとなってしまいました。もっとも、エンディングノートは一刻一秒を争って作る必要も無く、気が向いたら再開すれば良いくらいに考えていました。 ところが、が病気の治療を始めることとなり、私自身の体調不良も重なり、最近になって、夫婦ともども、自分たちの将来 ‐ 老後生活 ‐ に対する考え方を改める必要があるのではないかと思い始めました。とは言え、それは将来を悲観的に見ると言うことではありません。 これまでは、子育てを終え親としての役目を果たしたら、後は自分たちの老後生活を如何に充実させるかを考えてきましたが、この頃は、老後生活は自分たち

    自分物語のラストシーン - 和尚さんの水飴
  • ニューノーマルが崩れていく - 和尚さんの水飴

    緊急事態解除後の緩み 私の勤め先では、まだ在宅勤務が続いているのですが、これまでの「不要不急の出社は控える」というものから、「自宅でできる仕事がある場合には、在宅勤務を推奨する」と一歩後退しています。 今週は事務所内の引っ越しがあったため、在宅勤務期間の中で久しぶりに出社率の高い1週間となりました。ほぼ3か月間、モニター越しでやり取りしていた部員の元気な姿を見て、内心ほっとしました。 実は、私は在宅勤務開始以降、「会社を辞めたい」と言ってくる者が出てくることを恐れていたのです。部員に対しては、私としての最大限のフォローをしてきたつもりですが、それは文字通り「つもり」でしかありません。自分の思いが、相手の心に届いているのか確信を持てない。そのことを歯痒く感じていました。 さて、引っ越し作業のため出社していると、若手の部員からクレームが入りました。話を聞くと、事務所内でマスクをせずに歩き回って

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  • 新しい生活様式と生き方 - 和尚さんの水飴

    ポストCOVID-19への期待と不安 依然緊急事態宣言下での生活が続いていますが、首都圏でも週明けには宣言解除の判断が下されるようです。私の部署ではビデオ会議システムを使って毎朝定期連絡を行っていますが、部員からは、半分冗談、半分気で、出社したくないという声が聞こえてきています。 通勤電車や事務所内で人が密集すれば、当然のことながら感染する可能性が高まります。どんなに万全の予防を行ったとしても、感染リスクをゼロにすることは出来ません。出社が再開され、そのような不安を感じながらの生活に戻ることを歓迎する者はいません。それに加え、在宅勤務でも十分仕事を行えることが証明できた以上、社員が一同に会すること自体に疑問を持つ者も出てきています。 私としても、在宅勤務は肉体的・精神的に非常に楽であること、時間的な余裕を家族のために使えることから、このまま在宅勤務が新しいワークスタイルとして定着しないも

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  • 支配される心 (2) - 和尚さんの水飴

    胸の底の滓 現実世界では、誰でも自分の思いどおりにならないことがあります。仕事や生活の中で生じた“思い通りにならないこと”は、ひとつひとつが些細なストレスであっても、放置しておくと胸の底に滓のように沈殿していきます。沈殿した滓は心を支配します。イライラして周囲の人に当たってしまったり、物を壊してしまったりしたことは誰でも経験していると思いますが、それは、心を支配され感情の高ぶりをコントロールできない状態だったからです。 人や物に当たり散らすほどではないにしても、いつも不機嫌な人がいます。私の部下にも終始カリカリしている者がいます。満員電車、電車の遅れ、予定どおりに終わらない仕事、後輩の物覚えの悪さ・・・。世の中、自分の思いどおりにならないことの方が多いのかもしれませんが、それに対していちいち不平を言い出したら切りがありません。これではストレスが溜まる一方です。 どうしても満員電車に乗るのが

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  • 不寛容な世の中で (2) - 和尚さんの水飴

    処罰感情の暴走 部下へのパワハラにより、上司が関連会社に出向させられました。しかし、社内でさらなる厳罰を求める署名活動が始まり、また、パワハラの当事者であることを言いふらされたため、その上司は会社に居づらくなり退職しました。 lambamirstan.hatenablog.com “パワハラ被害者”の若手社員が相談窓口を訪れた時には、これほど問題が大きくなるとは思っていなかったのでしょう。確かに、“加害者”の上司は言葉がきついところがあり、部下に対する姿勢も厳しい人でした。対する部下の方はと言うと、お公家さんのような風貌のおっとりした雰囲気で、上司とはそりが合わなかったのだと思います。 部下の彼が相談窓口にやってきたのも、“上司からきつく当たられているので何とかならないか”程度の相談で、決して上司に厳罰を求めるような話では無かったはずです。事実、人事部が調査をしている最中に、その上司は部下

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  • 在宅勤務雑考 (3) - 和尚さんの水飴

    在宅勤務評価中 ゴールデンウィークが終わると、私の勤め先では、決算発表を行い、そして6月の定時株主総会に向けて準備が進められていきます。この時期、会社にいると総会準備のピリピリした空気を肌で感じるものですが、在宅勤務では社内の雰囲気を共有することは出来ません。緊張感どころが、気が緩んでいる社員の方が多いのではと思います。 事務所内であれば、上司や同僚の目もあるので、それなりの緊張感を持って仕事にあたることになりますが、在宅勤務では、他人の目を気にする必要も無く自ずと気の緩みが出てしまいます。これは何も若手や中堅だけでなく、ほとんどの社員が同じだと思います。もちろん、私もです。 在宅勤務での気の緩みから大きなミスを犯してしまうと、労務管理の締め付け強化という悪い方向に事が動くことになります。したがって、部としてもつまらない失態を晒さないよう、最低限の緊張感を維持しなければなりません。 在宅勤

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  • ステイホームの楽しみ方 - 和尚さんの水飴

    在宅拒否症 今週、やむを得ない用務で1日だけ出社しました。私の勤め先ではすでに全社員に対して在宅勤務の指示が出ているので、“不要不急”の出社は禁じられているはずなのですが、会社で仕事をしている社員が意外に多かったのに驚かされました。 ゴールデンウィーク明けには決算発表を控えているため、経理部門の社員が出社しているのは気の毒ですが致し方ないとは思います。他方、私の所属する海外事業部門は出社しなければならない仕事はほとんど無いはず。 ところが、私が会社に顔を出すと、別の部署の若手が一人黙々と仕事をしていたので、気になって声をかけてみました。彼は入社3年目の独身。住んでいる単身寮にいても落ち着かないので、会社に出ているのだとか。上司はそのことを知らないようでした。 ゴールデンウィーク前後のこの時期、気がかりなのは社員の出社拒否症です。季節の変わり目、異動のシーズン。環境や業務が変わると、それにう

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  • 毒入り人参 昇進話に乗る前に - 和尚さんの水飴

    生贄の山羊 失敗の責任を部下に擦り付ける。よく聞く話です。少なくとも私の職場で、事業が失敗した責任を取って潔く辞任した役員にお目にかかったことはありません。「結果が全て」が口癖の人間に限って、結果責任から逃れることが上手なようです。 トカゲのしっぽ切りとかスケープゴートと聞くと不祥事の後始末を連想させますが、不祥事に限らず、業務目標未達の責任や事業が膠着しているときの首のすげ替えの対象は、ほとんどの場合、中間管理職です。 会社勤めを長く続けていると、嫌なものを目にすることがあります。まだ私が若い頃の話です。今まで全く畑違いの仕事をしてきた人が、突然配置転換され、大きなプロジェクトのリーダーに抜擢。しかし、しばらくしてプロジェクトがとん挫し、大抜擢されたリーダーは責任を負わされて、関連会社に片道切符の出向となり表舞台から消えます。その間わずか1年足らずの出来事です。そこでようやく当の人は、

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  • 転職すべきか居残るべきか - 和尚さんの水飴

    転職市場の潮目が変わる? 新型コロナウィルス騒ぎに端を発して、新卒の内定を取り消す企業が出てきました。かつて、バブル崩壊後、長きに亘って就職氷河期が続きましたが、今回の景気低迷が第2の就職氷河期につながらないことを祈るばかりです。 転職が当たり前の風潮となって久しいですが、今後、景気低迷が長引いた場合、転職市場もその影響を免れることはできません。これからキャリアアップを目指そうとする方々は、潮目が変わる可能性を念頭に、転職すべきか、あるいは今の職場でのスキル向上を図るべきかを考える必要があろうかと思います。 “転職するには今が最後のチャンス”という年代に差し掛かっている方もいるでしょう。しかし、景気の浮き沈みだけは自分の力では何ともなりません。自分の実力を別の職場で活かしたいと焦ってみても、転職市場が縮小すれば、自分の希望する転職先に巡り合える機会は簡単には訪れません。 思えば、これまでの

    転職すべきか居残るべきか - 和尚さんの水飴