鶴林寺の鐘楼 鶴林寺の朝鮮鐘の説明を、まずしなければならないのですが、尾上神社の朝鮮鐘からはじめます。 世阿弥作の謡曲「高砂」に、「高砂の松の春風吹き暮れて、 尾の上の鐘も響くなり」と尾上の鐘を描いています。 尾上神社(加古川市尾上町)の鐘がそれです。 鐘の表面に飛天と楽器、上部には天蓋(てんがい)を浮き彫りにした珍しい朝鮮鐘です。 この鐘には、顕宗二年(朝鮮の年号・1011)の銘があるので、尾上神社の鐘もこの頃、つまり朝鮮の高麗時代に作られたものと思われます。 この鐘は、何時どのような経緯でもたらされたのかは分かっていません。 また、現存する「朝鮮鐘」の多くは、鎌倉時代から南北朝期の「倭寇」の活躍した時代にもたらされたものといわれています。何時のころから尾上神社にあるのかも分かりません。 朝鮮の高麗時代(日本の平安時代の中期から、南北朝時代にあたる)、仏教は政府に保護され大いに栄えました