「辞表」をめぐる一条天皇と道長の神経戦 大河ドラマ「光る君へ」の第25回「決意」。愛する中宮定子(高畑充希さん)が内裏に隣接する職曹司しきのぞうしという身近な生活空間に戻ってきて、一条天皇(塩野瑛久さん)の変容ぶりが目に余る状態になりました。 内裏には碌におらず、定子と一緒にいたいと職曹司に入りびたり。 行成(渡辺大知さん)らが政務のことを報告してもまともに聞いてもらえず、怒り出すほどです。 道長が心配していた鴨川の出水対策は後手後手になり、多くの人が被災しました。道長は自らの力不足を理由に、左大臣の辞表を3度にわたって提出しますが、一条天皇は「朕を導き支える者は、そなたしかいない」と受理しません。 この頃の道長の辞表の提出と不受理は史実通りです。史料上は道長の病気が理由ですが、ドラマの流れは、一条天皇が道長を辞めさせることができない事を見切った上で、辞表の提出を契機に天皇にも自分自身の至