あたたかく柔らかいイメージの「編みぐるみ」と、神秘的というか、おどろおどろしいイメージのクトゥルフ神話。そんな対極にあるような、2つの存在を融合させた「クトゥルフ編みぐるみ」を多数生み出している作家がいる。 クトゥルフ神話の神々 クトゥルフ、ハスター、ニャルラホテプ……恐ろしい邪神をとってもかわいいモフモフした編みぐるみに変えているのは「後楽奈茶(あとらくなちゃ)」。その編み物職人の澪(みお)さん(以下、澪さん)に話を聞いてみた。 「モフモフした神」が誕生したきっかけ 編み物歴約20年の澪さん。編み物に興味を持ったきっかけは、小学生のころ、ハンドルをぐるぐる回すタイプの、おもちゃの編み機を買ってもらったこと。その後、棒針編み、かぎ針編みはもちろん、指編み、レース編みの一種、タティングレースなど、編み物と名がつくものはだいたいチャレンジしたそうだ(取材時も自作のマフラーとセーターを着用)。