ブックマーク / lambamirstan.hatenablog.com (32)

  • 後払いの報酬 - 和尚さんの水飴

    退職金の期待と現実 私の先輩のEさんは、昨年6月に定年を迎え、現在再雇用嘱託で働いています。今まで一緒に仕事をしたことはありませんでしたが、同じ大学出身でもあり、折に触れ情報交換をする間柄です。 定年を迎えた時、Eさんは退職金の額が期待を下回っていたことをぼやいていました。家のローンを完済した残りで定年後の生活をエンジョイする算段だったようですが、それも叶わず、不意ながら嘱託で働かざるを得なかったと言いました。 おそらくEさんは、かつての諸先輩方がそうしてきたように、自分も退職金で負債を片付けて悠々自適の老後を満喫するつもりだったのが、人事部から退職金の説明を受けて初めて自分の当てが外れたことを知ったのでした。 Eさんは退職金に関する不満を吐き出したかっただけだったのでしょう。退職金の額ぐらい、ちょっと調べれば分かるのですが、それを今のEさんに伝えてわざわざ神経を逆なでする必要もないと、

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    tket 2022/02/23
  • 白髪と老眼 - 和尚さんの水飴

    白髪と若作り 年波は誰にでも平等にやって来るものです。気力や体力の衰えを認めるのは嫌なものですが、いつまでも抗い続けることは出来ません。 避けて通れないことを嘆くくらいなら、加齢を楽しむ心のゆとりを持っていた方が気が楽だと言うことは以前記事に書きました。 lambamirstan.hatenablog.com 私が年齢の衰えを感じ始めたのは、40歳に差し掛かった頃です。それよりもかなり前に、高尿酸血症と診断され、事の内容や飲酒量を見直しはしましたが、それは体質の問題で加齢とは無関係と考えていました。 ところが、二度目の海外駐在の前辺りから白髪が増え、何となく体力的な衰えも感じ始めました。駐在地では比較的自由な時間が多く持てたので、私は平日はスポーツジムに通い、週末はゴルフやトレッキングで汗を流し、日にいる時と比較して体形も引き締まり、若返りの効果に満足していました。白髪が気になりだした

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    tket 2022/02/15
  • それぞれの疎外感 - 和尚さんの水飴

    社会復帰の準備 オミクロン株による感染の急拡大で、私の勤め先では先週から再び在宅勤務が基となりました。 昨年の11月頃に在宅勤務日数が制限された時、私は上司に、各部員の事情を考慮して部の裁量で制限の適用除外が出来るよう人事部や関係部署と交渉するように促しましたが、そんな私の要望が通るはずも無く、同じ部の妊娠中の女性社員や病人を抱える私は不安を抱えながら年を越しました。 万が一にも家庭内感染などを引き起こさないよう、私や娘たちは注意を払ってきましたが、家族の心配をよそに、は副作用の弱い抗がん剤の投与に変わってから、着々と復職の準備を進めていました。 私はに、無理せずのんびりと療養することを勧めましたが、「お医者さんが反対しないのであれば社会復帰したい」と、人は復職の意志を曲げませんでした。一旦言い出したら誰も止められない - 娘たちも母親の性格を良く知っているので、余計な口出しはして

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    tket 2022/02/08
  • 深海魚と回遊魚 - 和尚さんの水飴

    深海魚のように 先週から約3か月ぶりに完全在宅勤務となりました。オミクロン株は感染しても重症化する可能性は低いとは言われているものの、病人を抱えている家族としては、通勤や事務所での他者との接触を回避することで極力感染リスクを抑えたいところです。 今の私は、専ら諸々の契約書を査読し、校正や修正の提案を行なう仕事を行なっています。仕事の〆切はありますが、ほとんど自分のペースで作業を進めることが出来るので、チームワークに付き物の工程管理や後進の育成・指導などの付加的な業務が無い分、余計なストレスを感じることは無く、気分的にとても楽な状態にあります。 日常業務は、毎朝、オンラインで部の同僚とのコミュニケーションタイムを行なうことと週二回の部内定例会。あとは自分の仕事を淡々とこなすのみです。同僚や関係部署からの問い合わせ等が無ければ、一日誰とも口を利かずに書類の読み込みと修正を進めるだけです。 在宅

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    tket 2022/02/08
  • 年の瀬の退職者 - 和尚さんの水飴

    年の瀬の退職者 私の勤め先では、6月と12月がボーナス支給月になっています。ボーナスとは言うものの、実態は生活給の一部を取り分けているだけで、業績や個々人のパフォーマンスに連動したものとはかけ離れています。 それはともかく、ここ数年の傾向として、ボーナス支給月は自己都合退職者が多い月でもあります。ボーナスをもらってから会社を退職する – 極自然の考えです。会社の規程では、ボーナス算定の期間は前年度、すなわち前の年の4月からその年の3月までで、その算定額を6月と12月の二回に分けて支給する仕組みです。また、支給対象者はボーナス支給日現在の在籍者となっています。 ボーナスを受け取る権利があっても11月末で退職してしまうと12月のボーナスはもらえないので、12月のボーナスをもらってから会社を退職することを選ぶのが“賢い”タイミングとなります。 人材流出については、過去の記事で何度も触れましたが、

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    tket 2021/12/28
  • 微笑ましい騒音 - 和尚さんの水飴

    除夜の騒音 私は小学校卒業まで東京の下町に住んでいました。町工場が軒を連ねる中に父親の経営する会社がありました。小さなビルの1階が事務所と工場、2階と3階が私たち家族の住居となっていました。 通りを挟んで反対側には小さなお寺がありました。毎年大晦日の夜は、そのお寺が除夜の鐘を鳴らします。紅白歌合戦が終盤に差し掛かる頃、隣りから大きな鐘の音が鳴り始めます。それが年越しのお蕎麦をべる合図でもありました。そんな大晦日の風景は、私にとってとても懐かしいものです。 その後、父の工場の拡張を機に、私たちは別の土地に住居を構えました。そこは文字通り閑静な住宅街で、大通りからも離れていたため、大晦日の夜はしんと静まり返っていました。引っ越し後の最初の大晦日。除夜の鐘の鳴らない年越しは、私にとってどことなく物足りない寂しい夜でした。今でも、テレビで除夜の鐘が映し出されると、子どもの頃の大晦日の夜を思い出し

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    tket 2021/12/27
  • 時間とお金 - 和尚さんの水飴

    募る不安 老後2000万円問題や45歳定年制など、将来の不安を掻き立てる話題に事欠きません。不安を払拭するために、働けるうちに働いておこう、お金を蓄えられるうちに蓄えておこうとなります。 定年の延長は、たとえ蓄えや受け取る年金が少なくても、仕事さえあれば今日明日の不安を先送り出来ると考えれば理に適っていると思います。それが、ここへ来て「45歳定年制」が報じられることにより、これから中高年時代を迎える人々にとっては、将来の不透明感がなおさら強くなったのではないでしょうか。 これまでの雇用延長の流れが、すぐに逆行するようなことは無いものと信じたいところですが、国が、長く働ける環境を整えることで、老後の備えに対する一層の自助努力を国民に強いる一方で、企業側は人件費がかさむ中高年を排除しようとする“せめぎ合い”は今後も続くことになるのでしょう。“排除”とまでは行かなくても、“若い世代の雇用確保のた

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    tket 2021/11/21
  • 現実逃避としての転職 - 和尚さんの水飴

    転職不向き 転職が当たり前の時代。私の勤め先でも、今や転職組を好奇の目で見るようなことなどありません。今年度は新卒入社よりも中途採用の人数の方が多くなりました。 もっとも、中途採用者が多いのは、それだけ自己都合退職者が増えたためで、あまり誇れることではありません。 私の部下や元部下で転職した者たちは両手に余る人数になりましたが、ときたま、彼ら・彼女らは元気にしているだろうかと思い出すことがあります。そのほとんどは、信頼して仕事を任せられる部下でした。日頃の仕事振りから考えると、きっと新天地でも活躍していることでしょう。 有能な部下ほど転職して行ってしまうので、組織としては大きな打撃なのですが、私はこれまで転職を希望した部下を慰留したことはありません。そもそも、上司転職することを告げた時点で人の意思は固まっているわけですから、そこで – 人事部が言うように - 慰留に努めることは意味の無

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    tket 2021/11/17
  • 食わず嫌いをやめてみると - 和尚さんの水飴

    視野を狭める思い込み 物事に対する好奇心は、若い時ほど旺盛だと勝手に決め込んでいました。思春期に刺激を受けた映画音楽は、眉間に釘を打ち付けられるような強い衝撃を伴い、その残像はいつまで経っても消えることはありません。それらは、その後何十年経っても自分のお気に入りリストの上位に居続けています。 歳を重ねながら新たな刺激を求め続けても、若い頃の“あの”衝撃に出会うことなど無いのだと諦めていました。 思うに、若い時は直感的に分かりやすい作品を求めていました。私の場合、音楽はメロディーがキャッチーで簡単に口ずさめるものを好んで聞きました。中学生の頃にギターを手に入れたきっかけはブルースに惹かれたからでしたが、私は勝手にこれぞ自分の趣味だと思い込んでいました。思い込みは自分の視野を狭めてしまうことに気がついていなかったのです。 高校に入って、ジャズ研に属していたクラスメートからジョン・コルトレーン

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    tket 2021/11/13
  • 無駄遣いからの卒業 - 和尚さんの水飴

    自由に使えるお金 海外駐在から帰国した直後、と私は、娘たちから小遣いが欲しいとせがまれました。彼の地では、どこに出かけるにしても車が必要で、子どもだけで買い物には行けません。娘たちが何か必要であれば、か私が一緒に買い物に出かけることになるので、“小遣い制”は不要でした。 しかし、帰国して日の学校に通い始めると、クラスメイトと寄り道をしたり休みの日に遊びに出たりと、何かと物入りになると言うのが娘たちの言い分でした。 上の娘は、そのすぐ後に大学生となり、アルバイトをし始めたのを境に小遣いを渡すことはしなくなりました。 娘が自分で稼いだお金。私は、その使い道に口を挟むことはしませんでしたが、からは何度か、無駄遣いしないように娘に言うように頼まれました。 我が家は、家族全員の衣類は一か所のクローゼットにまとめて仕舞っているのですが、確かに上の娘の服が増えていることには気づいていました。それ

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    tket 2021/09/24
    お金の使い道(考え方)として、とても素敵な身につき方だと思いました。
  • 捨て石の気持ち (1) - 和尚さんの水飴

    制度の骨抜き 管理職を降りて一番気が楽になったのは、部下の管理や査定をしなくて済むようになったことです。 私の勤め先が、年功制を廃し成果主義を導入してから大分時間が経ちました。しかし、制度が変わったからと言って、それを運用する人間の心構えまでが一朝一夕に変わるわけではありません。 成果主義は、年齢や勤続年数では無く、仕事の出来映えが評価の対象のはずですが、制度の運用を歪めてしまうと、年功制よりも社員の意欲を殺いでしまう結果にもつながります。 私が部長職にいたのは6年足らずでしたが、その間、自分と一緒に働いてくれていた部員は私の責任で査定を行ないました。一年で目を見張るような成長を遂げた者もいれば、潜在能力はあるのに思うような成果を上げられなかった者もいます。悲喜こもごもの一年を人たちとの面談で振り返り、部全体のバランスを考えて評価を行ないます。 その次に待っているのは、部門内での“調整”

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    tket 2021/09/22
  • 捨て石の気持ち (2) - 和尚さんの水飴

    滞留者 毎年の期末面談は、人が記載した目標達成表を基に行なわれます。人の自己評価に対して直属の上司、二次評価者の部長が評価を加え、人と面談をした上で評価のすり合わせを行ないます。 年度の最初に人と上司が目標とその達成イメージを設定するので、期末のすり合わせはそれほど大変な作業にはならないはずなのです。 ところが、年度末を迎え、思うような成果を上げられなかった社員の中には言い訳に走る者もいます。もちろん、仕事に限らず何事にも運・不運はつきものですが、成果主義は結果に重きを置かざるを得ません。 そこを人に納得してもらうよう諭すのも上司のつらい役目です。 しかし、仕事の出来・不出来の波はあっても、潜在能力のある社員は、経験年数を重ねて行くと、着実に成果を上げられるようになって行きます。単年度の成果だけを気にして言い訳を考えることに腐心するよりも、どうしたら取りこぼし無く成果を上げられる

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    tket 2021/09/22
  • 没頭できるものを探す - 和尚さんの水飴

    趣味に生きる 結婚前からは着付け教室に通い資格取得を目指していました。私の海外駐在や子育て等で上位の資格取得は思いどおりには進みませんでしたが、帰国後は呉服店で働き始め、七五三や成人式の時期にはフォトスタジオなどで着付けのアルバイトをしながら資格取得の勉強を再開させていました。 現在、は休職中ですが、治療が終わっても復職できるか分かりません。立ち仕事が多いことと、手術後にかすかに左手に痺れが残っており、以前のように着付けの仕事が出来るか自信が無いと言います。着付けの練習用のトルソー(胴体だけのマネキン)は、見るのがつらいからと目につかないところに片づけてしまいました。 闘病生活と自粛生活。それに加えて趣味兼特技を失ったでしたが、手術のしばらく後からペン習字と漢字検定の勉強を始めました。の習字と漢検の勉強がいつまで続くか分かりませんが、没頭できるものを見つけられたことは何よりです。

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    tket 2021/09/09
  • 象と鼠 (1) - 和尚さんの水飴

    帰属意識 転職が普通のことになる一方で中途採用者が増えてくると、それまで守り続けてきた – あるいは、守られ続けてきた – 社風を維持することが難しくなってきます。 過去の記事でも度々触れましたが、私の勤め先は、“超”がつくほどの保守的な会社でした。十数年前までは、中途採用も行なっておらず、周りを見渡せば、生え抜きの社員ばかりでした。 私が就職した30年前でも、すでに「愛社精神」など死語になりつつありましたが、それでもまだ終身雇用や年功制度が維持されていた組織の中では、勤務年数を重ねるに伴い、帰属意識は強くなります。 「帰属意識は強くなる」と書きましたが、そうなるように仕組まれていたと言った方が良いかもしれません。世渡りの術を心得ている者は、自分の会社が減点主義や情実人事で人が動いていることを察することが出来ます。仕事で罰点をらわず、出世しそうな先輩や上司について行くことさえ出来れば、自

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    tket 2021/09/09
  • 不幸のみちづれ - 和尚さんの水飴

    つらい経験と不幸せ 先日起こった電車内での殺人未遂事件。重傷を負った被害者について、報道によれば、容疑者はその服装が「勝ち組」っぽいものだったことを理由に挙げているようです。自分よりうまく行っていそうな誰かを傷つけても自分が変われるわけでは無く、結局は八つ当たりでしかありません。 過去にも、自暴自棄になった者が無差別殺傷を起こした事件がありました。自分を不幸だと思うのは自由ですが、関係無い他者を自己憐憫のみちづれにすると言う発想は理解出来ません。 思い描いたとおりの人生を送っている人はどれくらいいるのでしょうか。私は、能天気な目標を立ててはそのとおりにならず、挫折したり失望したりしながらも、そのたびに気を取り直して生きてきました。 「蒔かぬ種は生えぬ」。うまく行かなかったからと、そこで立ち止まってしまっては全て終わり。動き続けなければ、棚の上のぼたも落ちて来てはくれない – と私は思いま

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    tket 2021/08/09
  • ワクチン接種 - 和尚さんの水飴

    緊急事態の常態化 繁華街の人出に関するニュースを見ると、緊急事態であることをいくら強調しても、それが“普通”になってしまえば、自粛効果はほとんど見られないことが良く分かります。 数字だけを比べてみれば、昨年の同時期よりもはるかに事態は深刻化しているのですが、緊急事態が冗長に続いていることで、世の中の緊張感はほとんど無くなってしまいました。この状態から人流を抑制するにはロックダウンしか手が無くなってしまったのだと考えます。 思えば、昨年就職した上の娘は、コロナ禍の始まりの時期に卒業を迎えたため、卒業旅行を取り止めました。一緒に旅行に行くはずだった友人たちとは、いずれ“リベンジ旅行”に行くことを約束しながらまだ実現できていません。 下の娘は、大学入学後の2年目から大半の講義はオンラインでの受講となり、“キャンパスライフ”からはかけ離れた学生生活を送っています。 コロナ禍で強いられ続ける“自粛”

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    tket 2021/08/05
  • 自家製マティーニの話 - 和尚さんの水飴

    カクテル実験室 北米に駐在していた頃の話です。ある日、上の娘の高校進学を祝って家族で外をしました。高校進学と言っても、あちらでは高校も義務教育なので、公立の学校では入試はありません。学区内の決められた学校に進んだだけなので、人の努力を労う必要も無く、単に娘の進学を外の言い訳に“利用”したと言うところです。 それはさておき、予約しておいたステーキハウスを訪れると、テーブルの準備が整っていないので店内のバーで待っているように言われました。娘二人を間に挟んで家族4人でカウンターに腰かけると、私と同年代くらいのバーテンダーが注文を取りました。 恥ずかしながら、それまでショットバーにはあまり縁の無かった私。普段、事の際は最初にビールを頼むところですが、何の気まぐれか、メニューの中で目に留まったマティーニを注文しました。「ステアでは無くシェイクで」とジェームズ・ボンドが注文したカクテルです。

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    tket 2021/04/30
  • サラリーマンの垢 - 和尚さんの水飴

    気持ちの切り替え 早いもので、私が介護休業に入ってからもうすぐ1か月となります。専業主夫業との介助に専念する一方で、仕事から完全に切り離された生活は、当初、どこか落ち着かない奇妙な感覚が抜けませんでした。 これまでの約30年間は、会社の業務の段取りを考えたり、余計な人間関係に悩まされたりするのが“日常”でした。そんな生活を送っていると、不思議なもので、悩み事の無い状況に戸惑ってしまうようです。平穏な日常の中で無理に問題を探し回る自分がいました。 しかし最近ようやく、家事と介護を中心とした新たな“日常”を何の違和感も無い当たり前のものとして受け入れられるようになりました。自分の中では、一足早いリタイア後の生活を予行演習している気分です。 幸いにして、の予後も良好で、抗がん剤の投与が再開されるゴールデンウィーク明けまでは、人としても薬の副作用に悩まされることの無い心地良い時間を過ごせる期

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    tket 2021/04/27
  • 地位と名誉の値打ち (1) - 和尚さんの水飴

    幹部社員飽和時代 どこの世界にも、地位や名誉に異常に執着する人がいますが、会社と言う組織の中にも肩書に拘る社員が少なからず存在します。 私が入社してから20年近くの間、会社は年功序列を維持しており、同期入社はほぼ同じ時期に昇給昇格していました。管理職への昇格時期も1年程度の差しかありません。昇格できない社員は、過去に仕事で大きな罰点をつけられていた場合に限られていました。 来、管理職は会社のストラクチャーに合わせて適格な人物を適正な人数だけ配置すべきところ、当時は、管理職になれる“有資格者”が増えすぎたため、既存の部署を無理やり分割するなどしてポスト増設を図ることに加えて、意思決定のライン外に、“調査役”や“特命リーダー”など、権限無し・部下無し幹部社員を配置する頭でっかちな組織になっていました。 そんな時代にあっては、ある程度の年齢に達すれば幹部社員に昇格し、権限のある役職に就かずとも

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    tket 2021/03/15
  • 地位と名誉の値打ち (3) - 和尚さんの水飴

    当たり前だった昇格の終わり 組織の指揮命令系統は、意思決定を円滑に行うための枠組みであり、それぞれの役職に与えられた権限には責任が伴います。 役職が上がると給料も上がるのは、役職に応じた責任が重くなるためであり、個々人の能力や過去の実績の対価ではありません。あくまでその役職に対する手当です。 会社の中での役職の上下や給料の多寡は、それ自体は個人の能力評価とは別の、組織運営の仕組みでしかありません。若い社員は意外にその辺りを良く理解しているのですが、中高年の世代では依然として昇進や昇給に一喜一憂する社員が多く存在します。 私の勤め先に限って言えば、昇格の判定が、従来型の年功序列制からアセスメント制へ移行する際に、社員に対して制度変更の趣旨を丁寧に説明していなかったこと、そして、判定基準が曖昧なことから社員の間に不公平感が広がっているのだと考えます。 昇格アセスメント制は、かれこれ10年近く前

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    tket 2021/03/15