「ギターロック」という言葉がある。 海外においては、ほぼ使われない用語だ。日本の音楽シーンに、いつのまにか和製英語として定着し、独自のジャンルを形成し、発展し、変遷を遂げてきた。今も当たり前に使われている。 厳密な定義はない。でも、リスナーの間には、なんとなくのイメージは共有されていると思う。80年代から90年代のUKロックやUSのオルタナティブ・ロックをルーツにしたようなバンドたち。もっとざっくりと言ってしまうと、ゼロ年代の下北沢のライブハウスにいそうな感じというか。10年代の今も邦楽系のロックフェスのステージに立っている多くのバンドはそこにカテゴライズされるはず。 さて。なんでこんな話から入ったか。この「ギターロック」という厄介なものに、日本で最も深く、真剣に向き合い続けてきたのがBase Ball Bearというバンド、そしてそれを率いる小出祐介というミュージシャンだからだ。 200