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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (19)

  • 航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary

    今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については、その日米比較を行ったこちらの服部健吾氏の論文が参照されることが多いようだが、同論文では現在の慣行を支持する論拠として、「萎縮効果(chilling effect)」が一つのキーワードになっている*1。そこで「chilling effect accident criminalize」で検索を掛けてみたところ、Flight Safety Foundation*2のPresident兼CEOのHassan Shahidiが2019年5月17日に書いた「Criminalizing Accidents and Incidents Threatens Aviatio

    航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary
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    tmsbb 2024/01/12
  • フリードマン「ポパーの反証可能性は本ではなく本人から学んだ」 - himaginary’s diary

    引き続きハモンドのフリードマンへのインタビューからの引用。 J.D.H. Did you read much philosophy? M.F. None. J.D.H. Any philosophy when you were a graduate student? M.F. None that I recall. Not only that, I don’t recall ever having read much philosophy. Certainly about the only methodology philosophy I’ve read is Popper. I have read his Conjectures and Refutations as well as, of course, which is not methodology, The Open Societ

    フリードマン「ポパーの反証可能性は本ではなく本人から学んだ」 - himaginary’s diary
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    tmsbb 2018/08/25
  • なぜ欧州はあれほど栄えたのか? - himaginary’s diary

    と題した論説をJoel Mokyrノースウエスタン大教授が書いている(原題は「How Europe became so rich」;H/T Mostly Economics)。 How and why did the modern world and its unprecedented prosperity begin? Learned tomes by historians, economists, political scientists and other scholars fill many bookshelves with explanations of how and why the process of modern economic growth or ‘the Great Enrichment’ exploded in western Europe in the 18th

    なぜ欧州はあれほど栄えたのか? - himaginary’s diary
  • 危険な哲学者 - himaginary’s diary

    uncorrelated氏が、相模原の事件を受けたツイートで哲学者ピーター・シンガーの論を引いていた。氏は以前からブログエントリでシンガーを取り上げており(ここ、ここ)、昨年末も今回のツイートと概ね同趣旨のことを書かれている。そこで、シンガーとはどういう人なのだろう、とWikipediaを当たってみたところ、1999年の表題のニューヨーカー記事(原題は「The Dangerous Philosopher」*1)に行き当たった。同記事の中でシンガーの矛盾を突いた箇所が興味深く思われたので、以下に引用してみる。 This sort of reasoning can seem both numbingly logical and excessively coarse. Take, for example, his view of charity. Singer has written that

    危険な哲学者 - himaginary’s diary
  • 規制に賛成したハイエク、反対したフリードマン - himaginary’s diary

    規制を巡るハイエクとフリードマンの考え方の違いについて、Angus Burginというジョンズ・ホプキンス大学の歴史学者がブルームバーグのコラムに書いている(H/T Mostly Economics)。 As he undertook an American lecture tour in 1944, Hayek expressed frustration that many of his most ardent acolytes seemed not to have read the book. Although “The Road to Serfdom” expressed deep anxieties about central planning, it was also explicit about the positive role that government could p

    規制に賛成したハイエク、反対したフリードマン - himaginary’s diary
  • 同情はともかく金をやろう - himaginary’s diary

    以前、deserving poor(情状酌量に値する貧者)とundeserving poor(情状酌量に値しない貧者)に関する論争を紹介したことがあったが、Chris Dillowが、あるリバタリアンの https://twitter.com/LibertarianView/status/261211203425165312:twitter (拙訳) なぜ左翼はdeserving poorとundeserving poorの区別を認めようとしないのか? なぜ無気力、怠惰、無責任な連中を支援する必要があるのか? というツイートに応えて、undeserving poorの支援に反対すべきでない理由を6つ挙げている(H/T タイラー・コーエン)。 そもそもリバタリアニズムの2つの偉大かつ正しい考察は、政府の知識は限られているということと、政府の介入は人々がそれを悪用する機会を作ってしまう、という

    同情はともかく金をやろう - himaginary’s diary
  • 経済的座り心地が政治的立ち位置を決める - himaginary’s diary

    Mostly Economicsが、アセモグル=ロビンソンの主張に沿う好例として、Dalibor Rohacによる表題の主旨の論文を紹介している(原題は「Where You Sit is Where You Stand: Policy Preferences in the Czechoslovak Transition」)。 以下はその要旨。 This paper shows that systematic differences in policy preferences existed between Czechs and Slovaks in the early 1990s. In spite of having lived in the same institutional environment for almost 75 years and in spite of being

    経済的座り心地が政治的立ち位置を決める - himaginary’s diary
  • 富裕層がケイマンに資産を移す理由 - himaginary’s diary

    は節税ではない、という記事がSmartMoneyに上がっている(The Big Picture経由)。 シカゴの弁護士に取材したというその記事によると、世界のどこで収益を上げようとも米国政府の課税対象となる上に、米国内にも節税商品は多々あるので、節税のためにケイマンに資産を移すメリットはあまり無いという。もちろん資産隠しのような違法な目的で移しているケースもあるだろうが、それに対する罰則は国内での脱税に対するものよりも厳しいとの由。 では、なぜ富裕層はケイマンに資産を移すのか? 件の弁護士によると、その理由は昔ながらの理由と最近の理由の二つあるという。 昔ながらの理由は、法的リスクである。即ち、訳の分からない訴訟の標的にされて不当な判決が下された場合に、米国の司法が及ばないオフショアにある資産は保護できるから、とのことである。 最近の理由は、現政権の反富裕層的な雰囲気を警戒して、というもの

    富裕層がケイマンに資産を移す理由 - himaginary’s diary
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    tmsbb 2012/02/16
    "昔ながらの理由は、法的リスクである。"
  • ニューディールの生みの親 - himaginary’s diary

    オーストリア学派経済学者が書いたケイトー研究所論文、というといかにもクルーグマンやデロングなどの左派が拒否反応を起こしそうな来歴の論文だが、そこでハーバート・フーバーこそニューディールの生みの親だ、という主張がなされている(Mostly Economics経由)。著者はセント・ローレンス大学教授のSteven Horwitz。 以下はその要旨。 Politicians and pundits portray Herbert Hoover as a defender of laissez faire governance whose dogmatic commitment to small government led him to stand by and do nothing while the economy collapsed in the wake of the stock mar

    ニューディールの生みの親 - himaginary’s diary
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    tmsbb 2011/12/01
    "ハーバート・フーバーこそニューディールの生みの親だ"
  • これが本当ならば我々はおしまいだ - himaginary’s diary

    と題したMRエントリ(原題は「If true we are doomed」)でタイラー・コーエンが、「Global Banking Glut and Loan Risk Premium」というHyun Song Shin論文を紹介している。元のポインタはクルーグマンで、コーエン以外にはデロングが同論文にリンクしたほか、ケビン・ドラムがその内容を簡単に要約している。 各人が注目したのは、欧州の銀行が米国に多額(2007年のピーク時で約5兆ドル)の貸付を行っている、というShinの分析。それが当だとすると、欧州の銀行がデレバレッジで貸出の縮小に走れば、米国も甚大な影響を受けることになる、というわけだ。 Shinはその貸出のスキームを以下の模式図で表わしている。 ここで話をややこしくしているのが、欧州の銀行の米国法人が調達した資金が、いったん国の店に渡り、その後にシャドウバンキングを通じて

    これが本当ならば我々はおしまいだ - himaginary’s diary
  • FRBがインフレ目標を採用しない理由 - himaginary’s diary

    についてのロバート・ホールの見解をマイケル・ロバーツが報告している。 Anyway, all this has me recalling the keynote lecture by Robert Hall at this past summer's AAEA meetings. He seemed to get the basic economics right (as he obviously should) and talked about some interesting ideas, like moving from an income tax toward a consumption tax as a way to spur spending. The essential underlying motive to spend more in the present is a l

    FRBがインフレ目標を採用しない理由 - himaginary’s diary
  • 戦後の大統領をGDP成長率でランク付けする - himaginary’s diary

    という記事がEconomixに掲載されている。 結果は下位から順に以下の通り(数字は年率)。 オバマ 1.2%(今回の改定前は1.5%) ブッシュ(子) 1.6%(今回の改定前は1.7%) ブッシュ(父) 2.1% フォード 2.2% アイゼンハワー 2.5% ニクソン 3.0% カーター 3.2% レーガン 3.5% クリントン 3.8% ジョンソン 5.0% ケネディ 5.4%

    戦後の大統領をGDP成長率でランク付けする - himaginary’s diary
  • アメリカ独立戦争の経済的影響 - himaginary’s diary

    についてPeter H. LindertとJeffrey G. Williamsonという2人の研究者が論文を書き、その内容をvoxeuで紹介している(Mostly Economics経由)。 voxeuでは、1840年価格による個人所得という形で実際の値が示されている。それをグラフ化してみると以下のようになる。 また、同時に示されている期間別の年成長率をグラフ化してみると以下のようになる。 これを見ると、1774年時点では南部は北部の倍近い所得を誇っていたが、独立戦争後の期間(1774-1800)にその南部で特に落ち込みが見られ、1800年以降も他の2つの地域に比べて回復がはかばかしくなかったことが分かる。 ただ、それでも1800-1840年の全国ベースの成長率は1.26%に達し、クズネッツのいわゆる近代成長の基準値である1%をクリアしている。一方、同時期(1801-1831)の英国の成

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  • 所得格差と社会の病理 - himaginary’s diary

    昨日のエントリでは格差問題、一昨日のエントリでは社会の構成員同士の信頼性の問題を取り上げたが、以下のグラフでは両者の間の相関が示されている。 これによると、格差が小さいほど社会の中のお互いへの信頼度が高まるという。 このグラフは、ダニエル・リトル(Daniel Little)*1が以下の書評エントリで同書から引用したものである(Economist's View経由)。 Spirit Level,The: Why Equality Is Better For Everyone 作者: Richard Wilkinson出版社/メーカー: Penguin UK発売日: 2010/03/30メディア: ペーパーバック クリック: 7回この商品を含むブログ (1件) を見る(邦訳)平等社会 作者: リチャード・ウィルキンソン,ケイト・ピケット,酒井泰介出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日:

    所得格差と社会の病理 - himaginary’s diary
  • 幸せな場所では自殺が多い - himaginary’s diary

    という主旨の論文がJournal of Economic Behavior & Organizationに受理されたという。書いたのは、英国のウォーリック大学のAndrew J. Oswald、NYのハミルトン大学のStephen Wu、そしてサンフランシスコ連銀のMary C. DalyとDaniel Wilsonという4人の研究者である。論文の原題は「Dark Contrasts: The Paradox of High Rates of Suicide in Happy Places」。 EurekAlertに紹介記事が載っているが(Economist's View経由)、それによると、今回の研究の特徴は、米国内のデータを用いて分析したことにあるという。以前から、幸福度の高い国で自殺率が高いことは知られており(特にデンマーク)、この研究でも、カナダ、米国、アイスランド、アイルランド、

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  • 航空都市の時代? - himaginary’s diary

    Mostly Economicsが「Cities of the Sky」と題されたWSJ記事を紹介し、かつて鉄道の周りに町が発展したように、今後は空港の周りに都市が発展していくのだ、と書いている。 そのWSJ記事では、そうした航空都市(aerotropolis)の典型例として、ドバイを挙げている。 Thanks to the jet engine, Dubai has been able to transform itself from a backwater into a perfectly positioned hub for half of the planet’s population. It now has more in common with Hong Kong, Singapore and Bangalore than with Saudi Arabia next door

    航空都市の時代? - himaginary’s diary
  • 個人主義の強い国ほど経済成長率が高い - himaginary’s diary

    という研究結果がVOXEUで報告されていた。著者はUCバークレーのYuriy GorodnichenkoとGérard Roland。 そこでは以下の2つの図が提示されている。 横軸はいずれの図もホフステッドによって開発された個人主義の指標*1であり、縦軸は最初の図が一人当たりGDPの対数値、2番目の図が100万人当たりの特許件数である。 これを見ると、確かに個人主義の度合いが強いほど経済のパフォーマンスが良い。Gorodnichenko=Rolandによれば、 個人主義指標が1標準偏差(これはベネズエラやギリシャとブラジルやルクセンブルクとの差に相当する)高くなると、所得が60〜87%高くなるという。 我が日を見てみると、集団主義的と良く言われる割には、ホフスタッドの指標では概ね全体の真ん中に位置している。そして、いずれの図でも、回帰線で予測されるよりも上に来ている(特に人口当たり特許

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  • 主流派マクロ経済学者への5つの建設的提言 - himaginary’s diary

    5/25エントリで取り上げたThomaとAndolfattoの論争を受けて、Rajiv Sethiがマクロ経済学者の今後進むべき方向についての彼なりの提言をまとめている。 合理的期待形成は行動に関する仮定ではなく、均衡に関する仮定なので、「フォワード・ルッキングな行動」よりもかなり限定されたものである。説得力のある不均衡動学が設定された中でも均衡経路がしっかりと安定しているならば、その仮定は正当化されるだろう。ただし、天下り式に仮定するのではなく、明示的に検討される必要がある。 経済変動に関する理論がショックに依存するのか(フリッシュ=スルツキーの系統*1)、それとも依存しないのか(グッドウィンの系統)について考えを巡らせること。グッドウィンの1951年のエコノメトリカ論文を改めて読んで、この区別の重要性を噛みしめるべき。 レバレッジや担保や債務不履行が中心的役割を演じるモデルを構築するこ

    主流派マクロ経済学者への5つの建設的提言 - himaginary’s diary
  • リバタリアンが政府を嫌うべきでない5つの理由 - himaginary’s diary

    というのが、昨日紹介したreason.comのWilliam D. Eggers & John O'Learyの1/13記事のタイトルである(「Five Reasons Why Libertarians Shouldn't Hate Government」)。副題が「Plus, Five Big Projects That Went Well and Five That Were Disasters」で、昨日紹介した政府の成功5例と失敗5例は、むしろ記事のおまけであった。 記事の題の表題5項目について、Eggers & O'Learyは以下のように述べている。 悪い政府は、さらに大きな悪い政府をもたらす。 今日、政府が良いことをすると信じている米国人は23%しかいない。これは一見、「大きな政府」に反対する人を力づける結果に見える。 しかし、最近のRegulation and Distru

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