これぞジュエリーの真髄 第8回(02) アールヌーヴォーとルネ・ラリック 有川一三氏が主宰する「アルビオンアート」の歴史的な芸術品の数々を、宝石史研究家の山口 遼さんの解説で紐解くジュエリー連載。第8回は、アールヌーヴォーとその天才、ラリックについてご紹介します。前回の記事はこちら>> 100年に一人の天才 ルネ・ラリックの世界 第6回のファベルジェでも触れましたが、ジュエリーのデザインは基本的には繰り返しです。 しかし100年に一人か二人、それまでにない画期的なデザインを作る天才が出る。そして次の世代はそれを模倣する。こうした天才の一人が、フランスのルネ・ラリックです。 ラリックは20歳になる頃まで英国でジュエリー作りの技術をしっかりと学びます。帰国後ラクロシュやヴェヴェールなどの宝石店のためにデザイナーとして働きます。 後年のラリックからは想像もできない、最も初期の作品1を見てください