ジョエル・ウォルドフォーゲルの『プレゼントの経済学』。クリスマスの贈り物をイメージした白と赤のブックデザインもとてもいい。原題はScrooreconomics。つまり『クリスマス・キャロル』のかの守奴銭スクルージと経済学を結びつけた経済学の贈り物だ。編集の方から今朝、贈っていただいたとてもすばらしい著作。 贈り物が贈り主の「よろこばせたい」という動機に反して、貰い手の多くが「うれしくない」と感じてしまい、社会的なムダが発生している、とウォルドフォーゲルは指摘している。このムダは先進国を中心に膨大な金額になる。この贈与経済の分析を、著者は途上国への援助、政府が行う現物給付や日本での定額給付金などのようなタイプの現金給付の分析に応用していく。現金が一番贈り物として効率的なのに、現金を贈ることが社会的な規範、宗教上の理由、たんなる見栄などで控えられてしまうことも、贈与経済が非効率的になる原因であ
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