―― つまり、一般読者は泥棒のことを知らなさすぎると? 甘利: そういう一面があるのだろうということです。もちろん一般読者が泥棒のことをあまりご存じないのは当然のことでしょう。ですが、家の防犯を考える上で敵となるのは泥棒です。あまりにも知らないのでは対策が立てられない。その点はちょっと心配です。 例えばランキング3位の「前科20犯の空き巣が2度入った家」(2008年8月20日)。ここで診断した家は集合住宅の1階住戸で、同じ空き巣のプロに3年半を置いて2度入られた。 ―― この家では最初に入られた時、「不運が続くことはないだろう」と、取り立てて対策を施しませんでした。 甘利: 被害に遭ったら次もある、と考えたほうがいいですね。1回入られて何も対策を講じないと、泥棒はまた狙ってくるものです。家の中の様子がよく分かっているので、仕事はとてもやりやすい。だから、被害に遭ったらこれ見よがしに
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 昨年は日本を代表する大企業が赤字転落したニュースや、解雇された非正規雇用者の、年越しもままならない様子が大きく報じられるなど、明るい材料が極端に少ない一年でした。中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しいものですが、それでも我々はあくまでも生き抜いていかなくてはなりません。このつたないコラムが皆さんの一助となれば、わたしにとっては望外の喜びです。 さて、業務改善のヒントはお客様から寄せられる苦情の中にこそある。クレームをないがしろにせず誠実に対応することで、お客様はいっそう自社のファンになってくださる。もちろん、こんなことは改めてわたしに言われなくとも、心ある社長ならばだれでも心得ている。その割にはクレームを「宝の山」にできる会社は余りにも少数です。 なぜクレームを宝にできないのか。一つはクレーム発生の責任
レストランで出された料理がまずかったからといって、クレームをつける人はいません。二度とその店には行かないだけです。ところが、レストランの従業員の態度が悪ければクレームをつける。不思議なことです。レストランには料理を食べに行くのであり、態度を食べに行くのではないのに。「接客も込みで料理」ということなのでしょうけれど、肝心の料理には文句を言わないのが人間心理の面白いところです。 先日わたしは、全国から120名のサポート会員と連れ立って島根県の松江市にベンチマーキングに出かけた。松江といえば日本海沿岸では最大の漁港のある境港市にも隣接しており、海の幸の美味しいところです。わたしたちは昼食を取るべく、老舗の海鮮割烹店・A店に入りました。 やや時間が早かったこともあり、店内は比較的空いていました。にもかかわらず、わたしたち一行が通されたのは待合室です。わたしは「空いているんだから席に案内してくれ
「趙紫陽 中国共産党への遺言と『軟禁』15年余」 宗鳳鳴 著 高岡正展 訳 ビジネス社 2008年8月発行 5000円(税込み) 前回、中国で最も貧しい人々の実際を尋ね歩いた「中国低層訪談録」を取り上げた(「貧困層インタビューから見えてくる中国」)。中国では今なお、多くの人々が貧困にあえぎ、苦しんでいる。 では、彼らが中国の実態をすべて代表しているのかといえばそうではない。満足な教育も受けられずに貧困にあえぐ人々がいる一方、沿岸地域を中心に先進国並みの生活水準を実現している人々がいる。 そしてそれらすべての人々を統治する北京の中央政府の指導部がいる。経済的には既に、日本以上に資本主義的ともいえる資本主義体制を採用した中国だが、政治面では今なお社会主義体制を堅持しており、中国共産党が独裁的に政治を仕切っている。政府首脳部を選ぶ手続きは選挙ではない。共産党上層部のいわく
「新型インフルエンザについて最新の情報が欲しければ、小樽の外岡さんのホームページを見ろ」――新型インフルエンザ関係者の間でもそう言われている。北海道小樽市で、小樽市保健所の所長を務める外岡立人氏は、個人の立場で鳥及び新型インフルエンザ直近情報というホームページを開設し、国内外の鳥インフルエンザおよび新型インフルエンザに関する情報を収集、要約して掲載し続けている。 3年半もの間、継続して情報を収集・分析しつつ、同時に地域における公衆衛生の責任者として新型インフルエンザ対策に携わってきた経験から、外岡氏は国と地方自治体との間で新型インフルエンザ対策に関するコミュニケーションがあまりに少ないと指摘する。 同時に氏は、具体的な対策として「感染中断免疫」という手法を推奨する。新型インフルエンザに感染し、発熱したらすぐに抗ウイルス剤の服用を始め、症状を軽く抑えると同時に免疫も獲得するという方法だ。
「最後に発券する指定席券」を買うだけで問題は解決 最初に思いついたのが、帰りの切符も我が社の経営サポート事業部が一括して購入するという方法でした。しかしこれは「駄目だ」と判断しました。 いつ何時、何が起こるか分からないのが社長業です。帰りは皆と一緒に同じ列車を予定していても、突発的な事情で松本から名古屋方面に、あるいは北陸方面に向かわなくてはならないことや指定の列車に乗れなくなることもある。お客様からのクレーム内容によってはセミナーを途中で切り上げて、急きょ帰社しなくてはならないことも珍しくない。 となると、我が社が人数分の切符を買っておくことはリスクが大きい。事前に希望を聞いたり、キャンセルが出れば払い戻しの作業をしたり、あるいは新たな希望者を募ったりしなくてはならないからです。それは、今のところの我が社では人的リソース上の問題もあってかなり難しい。 実践経営塾には我が社の経営サ
新築マンションが、本当に売れていない。完成しているのに、全100戸のうち15戸しか売れていない、30戸、40戸しか売れていないなどの話は10件や20件ではなく、ザラである。不動産経済研究所の発表によれば、首都圏の新築マンション在庫数はおよそ1万1000戸とされているが、実態は少なくともこの倍くらいはあるだろう。実は、この数字はあくまでもマンションデベロッパーの自己申告数字を足し合わせたものに過ぎない。 かなりの戸数を買い取り再販業者へ売り払うというケースも目立っている。買い取り再販業者とは、売れ残ったマンションをバルクで(まとめて)買い取り、一般ユーザー向けに転売する業者のことだ。売値の50~55%程度で買い取り、20%程度の利益を乗せて売却する。このようなビジネスモデルが常態化するとは考えにくいが、市場にはいま、溢れるほどのバルクセール物件が出回っている。 損切りする体力のあるデベロ
「H5N1型ウイルス襲来」 岡田晴恵著 角川SSC新書 角川SSコミュニケーションズ 2007年11月発行 756円(税込み) インフルエンザを「高い熱が出る風邪の一種」と思っている人は多いだろう。「確かにかかると大変だ。数日間は高熱に呻吟(しんぎん)することになるし、体の節々が痛くてたまらなくなる。が、命にかかわるような病気ではない。毎年冬になると流行するが、運が悪ければかかる程度の病気だろう。春になればいつのまにか消えているものだ」―― そんな風に思っているのではないか。 そもそもインフルエンザワクチンは任意接種だし、効かないという話だってあるではないか。身近にもワクチン接種を受けたのにインフルエンザにかかった人がいるという人も少なからずいるはずである。 ここ数年、「鳥インフルエンザ」という言葉がメディアをにぎわせている。鳥インフルエンザというからには、鳥がかか
「日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争」 速水融著 藤原書店 2006年2月発行 4410円(税込み) 「史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック」 アルフレッド・W・クロスビー著 西村秀一訳 みすず書房 2004年1月発行 3990円(税込み) 本欄、前々回に消えた年金問題を扱った回には、非常に大きな反響をいただいた。一方、前回の高病原性鳥インフルエンザの回は、前々回ほどの反響は来なかった。 年金は金の問題であり、高病原性鳥インフルエンザは命の問題だ。どちらが大切かといえば命に決まっている。にもかかわらず、年金問題により大きな関心が集まった理由はおそらく、年金問題は起きてしまっているが、高病原性鳥インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)はまだ起きていないということだろう。 いくら専門家が「いったんパンデ
鳥インフルエンザの危険性について、SAFETY JAPANではこれまで書評を通じて警鐘を鳴らしてきた。新型インフルエンザの脅威は、ようやく知られるようになったが、まだまだ正しい情報が一般に届いているとは言えない状況だ。特にこの問題を専門としている研究者の生の声はなかなか表に出てこない。 田代眞人氏は、日本を代表するインフルエンザの研究者であるとともに、世界保健機構(WHO)で新型インフルエンザ対策を担当するインフルエンザ協力センターのセンター長を務めている。今回のインタビューはWHOに勤務する田代氏が帰国するタイミングで、貴重な時間を割いていただき行ったものだ。 田代氏は、新型インフルエンザが、全身感染を起こす、これまでにない高い病原性を示すものになるであろうと指摘する。このままでは被害は第二次世界大戦以上になる可能性もある。「不作為は、犯罪ですらある」と、国を挙げての対策推進を訴える
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