「懺謝文」とは 曹洞宗が宗務総長名で1992年に発表し、宗内寺院( 海外寺院も含む)お よび図書館等の関係機関に通知した「懺謝文」は、1980(昭和55)年に 曹洞宗宗務庁が編集発行した差別図書『曹洞宗海外開教伝道史』を回収・破棄 するために、庁内委員会からの答申をもとに、当時の行政責任者が決定した公 文書です。 はじめて「懺謝文」だけをご覧いただいた方は、そのあまりに率直な内容や厳 しい語調に驚かれたり、不愉快に感じられたりするかもしれません。曹洞宗の この種の公文書として、分量の多さや論理の鋭さにおいて異例な文章であるこ とはたしかですが、それはこの文章の誕生にまつわる歴史事情が背景にありま す。 1992年「懺謝文」は、何の前提も脈絡もなく突然発表された声明文ではあ りません。 「懺謝文」本文にも述べられていますように、曹洞宗宗務庁自身が監修し発行 した『曹洞宗海外開教伝道史』 (1