沿道に手を振り、光化門前を通過する文在寅(ムン・ジェイン)大統領=10日午後、韓国・ソウル(川口良介撮影) 【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は12日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の肝煎り事業として編纂(へんさん)された国定歴史教科書の廃止を指示した。文氏は保革の「統合」を訴えているのとは裏腹に、就任早々、前保守政権を否定する政策を打ち出しており、保守派との溝がさらに深まる恐れがある。 大統領府の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通(旧広報)首席秘書官が会見で、国定版について「旧時代的で、国民を分裂させる教育の象徴だ」と批判。廃止の指示は「歴史教育が政治的に利用されてはならないという大統領の確固たる意志の表れだ」と強調した。中学・高校で来年度から検定版と選択制で導入予定だったが、検定版だけに改める方針。 国定版は、朴被告が従来の検定版は「左派的だ」として編纂を指示。朴正