皆様、明けましておめでとうございます。2016年初頭の今回は、昨年暮れにはシリアからの難民受け入れが当地カナダでも大きな話題になりましたので、難民の母語と受け入れ国の公用語に関係のある話題を取り上げてみましょう。 移民が受け入れ国で話されている言葉を習得する際に、どうしても母語の影響を「お国訛り」として残してしまう傾向があります。これが「母語の干渉」と呼ばれるものです。一例を挙げましょう。「自分の子供達」のことを話していて「サ」が濁らず、「メサンファン(mes enfants)」と発音する移民がいたら、その人の母語は、ほぼ間違いなくスペイン語だと言えます。同じように、「私の友達たち」は正しいフランス語の「メザミ(mes amis)」でなく「メサミ」と発音されます。 その理由は実はフランス語の方にあると言った方がいいかもしれません。仏語を外国語として習った日本人なら誰でも知っている「リエゾン