相変わらず斎藤環の本はチェックしていて、しかも毎回誉めているんで、なんだか斎藤環の回し者みたいな感じではあるけど、今回も次の部分には思わず唸った。 いまやわれわれは「理解とコミュニケーション」の可能性と「変化と成長」の可能性とのいずれかを、相互排除的に選択し続けるほかないのかもしれない。もはやそれらは両立しない。コミュニケーションは変化をさまたげ、理解は成長を阻害するからだ。(190p) これは今の社会の現状を非常に鋭く捉えた言葉だし、「真理」だと思う。 精神科医のアルフレッド・ビオンが患者と接する時の態度を示した名言に「感情なく、記憶なく、理解なく」というのがあって、僕は今までその「理解なく」というのを「相手をわかったつもりにならない」という単純な意味で理解していたけど、その真意は斎藤環の言う理解と成長の相互排除性にあるのかもしれない。 いきなり、熱く語ってしまいましたが、この本は『文学
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