ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は日本が物価を押し上げるため、インフレ目標を4%に引き上げるとともに、大規模だが一時的な財政刺激策を講じるべきだとの考えを示した。 同氏は14日、シンガポールで開かれた会合で、日本の政策当局が必ずしも「ヘリコプターマネー」を含む戦略を採用する必要はないものの、「まとまった額の政府支出」を打ち出すよう呼び掛けた。さらに「現金供与の可能性もある」とした。 「日本はインフレ率を説得力があるほどの高さに引き上げる必要がある」とするクルーグマン氏は、長期の財政見通しをめぐる懸念は「一時棚上げにしなければならない」と論じた。 同氏は日本銀行による2%のインフレ目標に関し、日銀の金融緩和の成功を制限している可能性があるとコメント。黒田東彦総裁はインフレ期待の大幅な変化をもたらし、円安や株高を演出することができたが、経済の押し上げは十分大きくないと付け加えた。