2017年衆議院選挙は、自民党と希望の党の対立構図で展開していきそうである。希望の党の党首に就任した小池百合子東京都知事は、安全保障・憲法観を重視して公認候補を峻別することを明言した。 これによって与党と野党第一党が、右と左、改憲派と護憲派、親米派と反米派といった冷戦型の対立構造から離れて展開していく公算が強まった。これをチャンスにして、本格的な政策論議を進めてもらいたい。 硬直化したイデオロギー的な支持基盤を意識しすぎるために、政策論が低調になる。たとえば憲法問題では、護憲か改憲か、というスタイルの問題だけを問うならば、憲法の問題点を素直に洗い出す態度がとれなくなってしまう。 安全保障問題も同じである。「とにかく対話で平和を」と唱える人が相手であれば、そもそも安全保障政策を議論することができなくなってしまう。安全保障政策をとるかとらないか、という奇妙な選択が、選挙の争点になってしまう。