――吉田さんは、今回のコロナ禍は「これまでの国の好ましからざる特徴を、さらに強める作用がある」と説いていますね。どういう意味ですか? 新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた段階で、各国・地域の対応に明暗が出ました。たとえば、台湾や韓国のように封じ込めが初期段階でうまくいったところもあれば、アメリカやフランスのように拡大を防げなかったケースもありました。ただ、いずれの場合でも、感染拡大の初期は各国の政権への支持率はほとんどの場合、上昇しました。これは政治学で言うところの「旗本結集効果」、つまり社会が危機に直面したリーダーを最初は支える形で政権支持が高まるためです。しかし、その後、状況をコントロールできない状態が続くと、支持率は低下に転じます。アメリカやフランスはまさにこの事例に当てはまります。 歴史的にみても、国家が危機に陥るのは、戦争など外部的な要因でない限り、政治体制やその社会制度などに
![【吉田徹】民主主義はだめな制度? 答えは「あなたが信じるかどうか」にある:朝日新聞GLOBE+](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c78cecba58187fd62004ba1465478fc3276d1fd5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2F3a51-p%2Fpicture%2F23586498%2Fe577763a3f868cea3318501c741f9f39.jpg)