サイエンス 「原理的にダークエネルギーは必要ない」 宇宙は膨張していないかもしれない。宇宙定数の問題を考察する新しい理論研究 Image:Jurik Peter/Shutterstock.com ジュネーブ大学の理論物理学者Lucas Lombriser氏は今月はじめ、宇宙は必ずしも膨張していない可能性があると示唆する新しい理論研究を学術誌Classical and Quantum Gravityに発表した。 現在主流の考え方としては、地球から遠い宇宙(銀河)を観測する際には、赤方偏移と呼ばれる光のスペクトルの赤い側への偏りがその判断基準のひとつになる。これは遠くにある宇宙ほど、ビッグバン以後急速に遠ざかっているため、光の波長が伸び、赤く見えるようになってしまうからだ。 最近の研究では、この宇宙の膨張の勢いが増しているという証拠も発見されている。この加速膨張は宇宙定数(宇宙項)と呼ばれ、Λ