大阪市道の一部を不法占拠していた屋台(右)への指導に訪れた市職員ら=6月2日、大阪市西成区かつて屋台があった場所には、フェンスが張られた=11日、大阪市西成区 日雇い労働者の憩いの場が消えた。大阪市西成区のあいりん地区に市道を不法占拠して営業していた屋台が、11日までにすべて撤去された。移転した店では、常連客の足は遠のくばかり。店主からはため息がこぼれる。 通称「屋台通り」。バラックの屋台が並んでいた西成区萩之茶屋の市立萩之茶屋小学校の東側の市道は、そう呼ばれていた。数十年営業していた「老舗(しにせ)」や、仕事にあぶれた日雇い労働者のため、朝早くから営業する店もあった。 ここに屋台ができはじめたのは30年ほど前からと言われている。市道の占用許可は取っておらず、違法だった。 車1台が通るのがやっと。「朝から大人が酒を飲んでいる姿を子どもに見せるなんて……」という声もあった。でも