個人的な記憶をたどると、新人がこれほどのブームを巻き起こしているのは、1981年にドジャースで活躍したフェルナンド・バレンズエラ以来ではないか。 1995年の野茂英雄も、2003年のマーク・プライアーもこれほど話題をさらったという感じはしなかった。 話題の中心になっているのは、ナショナルズの新人、スティーブン・ストラスバーグである。 ストラスバーグの凄さは、「分かりやすさ」にある。 とにかく、速い。 ストレートの平均スピードは97マイル、時として101マイルも計測される。 チェンジアップの平均も、驚くなかれ90マイルを超えている。時速145キロのチェンジアップを投げられては、打者としては後手後手に回らざるを得ない。 勢いに乗った時など、ツーナッシングと追い込んでから遊び球を投げることもない。3球勝負で3球三振。「大器」とはこういう選手のことを指すのだと、実感する。 そのストラスバーグが、い