幻の王国と、王族の傲慢 【海外通信員】2010年06月24日 代表の歴史的壊滅から一夜明けたフランスは、恥辱と憤怒に覆われている。 フランス人はいま、どす黒い瓦礫と廃墟の野を茫然と見つめ、その上に広がった、妙にそぐわない青空を仰いでいるところだ。道ゆく人々の手の中では、「ひとつの世界の終焉」と印刷されたレキップ紙の大見出しが揺れている。 この原稿を書いている現在(23日夜)、レ・ブルーはパリに向かう機内にいる。このうちアンリは、24日午前にも大統領宮殿に迎えられ、大統領と会談するという。 一部選手たちは、「近く真実を語る」と語った。それが醜い報復劇や自己正当化劇となるのか、建設的な言葉の解放となるのかは不明で、まだ謎も多い。その詳細は、追って明らかになるだろう。 だがそれを待つ間にも、惨劇の原因を大枠で検証することは可能だ。なぜならこの結末は、2年前からすでに、物語の最終ページに書