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ブックマーク / monado.hateblo.jp (5)

  • ウィリアム・J・ミッチェル「リコンフィギュアード・アイ」 - モナドの方へ

    デジタル画像時代の写真論。ただしデジタル画像となれば写真もCGもデータとしては同じなので、実際には写真+CG論である。 書の面白いところは、人文的な写真論とデジタル画像の技術論がセットになっているところだ。 もっとも技術論の方は、10年以上前に書かれたということもあって、別に目新しいこともなく、普通の(知っている人から見れば常識の)ことが書いてあるのだが、そこに美術論などの視点も登場してくるので驚かされる。 たとえば、レイトレーシング法の説明ではレオナルド・ダ・ヴィンチとデューラーの技法が引かれるし、ラジオシティ法の説明ではファン・エイクの絵画「アルノルフィニ夫」の画法が引き合いに出される。 とはいえ、読むべきは技術論の方より最初と最後の写真リテラシーのところだ。 写真は真実を写すものと思われていただけに、写真は多くの人々を欺いてきた。切り貼りによる改竄、キャプションのすり替え、削除

    tomad
    tomad 2009/01/05
  • 文学フリマ - モナドの方へ

    日曜日に行われた文学フリマに行ってきました。twitterで知り合った人で出店/参加するが多かったというのもあり、またゼロアカにちょっとウォッチ的な興味があったということが主な理由です。 ゼロアカの目的自体にはほとんど興味はないんだけど、この企画の副産物として得られるかもしれない批評の広がりみたいなのには期待していて、そういう側面を自らの目で確かめておきたいというところもありました。 突撃インタビュー! ゼロアカと言えば動画やustreamなんだけれども、門下生はおろか筑波批評社のメンバーも両手がふさがっている状態。これは一肌脱ごうと勝手にustreamを開始し、リアルタイムでインタビューなんかをしたりしていました。事前に宣伝したわけではないので、あまり集客できなかったというのがちょいと残念。 そんなこんなで、twitterなどで見知っていた参加者にインタビューをしながらも、隙をうかがって

    文学フリマ - モナドの方へ
  • 網野善彦「異形の王権」 - モナドの方へ

    文献だけでなく絵巻物などを結びつけて語る、異形の日像。 ヴァールブルク以降、西洋でも起きた流れを導入し、図像学的な手法を一部取り入れているので、読んでいてとてもワクワクさせられた。 作者は文献の内容を絵に当てはめただけと謙遜しているが、その説得力はなかなかのもの。文献だけだと、小難しい古文がわらわらと出てきて「読めないよ!」と頭を抱えてしまう所なんだけど、絵を見せて「ほらここにこんな風に描かれてるでしょ!」と言われると一発で納得できる。 聖と賤、ハレとケ、その間に跋扈する「異形」。そんな不安定な動乱の時代に現れる異形のものたちを次々と描き出してゆく。教科書ではお目にかかれないような奇っ怪な存在や風習に、これまでの日のイメージが崩れていった。 日史に興味がない人でも、トリビア集として読むだけでも面白い一冊。 異形の王権 (平凡社ライブラリー)posted with amazlet at

    網野善彦「異形の王権」 - モナドの方へ
    tomad
    tomad 2008/09/23
  • I・A・リチャーズ「実践批評」 - モナドの方へ

    ニュークリティシズムの代表選手の一人リチャーズによる、実践的な批評をするための指南書。前半はリチャーズが学生に書かせた無記名の詩の批評であり、後半はその分析になっている。 書で追求されるニュークリティシズムの重要な思想が二つの誤謬説だ。 ひとつは意図の誤謬。これは作者の意図に引きずられて作品を評価してはいけないということ。 もうひとつが感情の誤謬。これは作品が読者に与える感情の効果を評価に影響させてはいけないということだ。 とにかく余計な情報は一切排除し、テクストとガチで向かい合って精読をするというスタンスである。 まずリチャーズは学生達に作者名を伏せた詩を見せ、それを無記名のかたちで批評させる。無記名の理由は率直な意見を言ってもらうためとしているが、もうひとつの重要な理由はリチャーズの行ういわばメタ批評をニュークリティシズム的に行うためだろう。学生とはいえ、誰が書いたかという意図に引き

    I・A・リチャーズ「実践批評」 - モナドの方へ
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    tomad 2008/08/24
  • 宮澤淳一「マクルーハンの光景 メディア論がみえる」 - モナドの方へ

    いわずとしれたみすず書房の理想の教室シリーズの一冊。このシリーズ良書揃いであるが、書も入門書としても復習がてらに読むにしてもよくできている。 「ホットなメディア」「クールなメディア」や「メディアはメッセージだ」から「メディアはマッサージだ!」まで、突飛な用語で人を煙に巻く印象のあるマクルーハンを的確に要約し、かつわかりやすくまとめてある。 個人的に面白かったのはジョン・レノンとの対談や、現代アートとの関係性だ。それらは今日的な問題の連なりのひとつであり、インターネットの隆盛に伴ったマクルーハン・リヴァイバルともいえる今へなめらかに接続してくれる。 何がメディアなのか、すべてはメディアだというのか? そういうことを考えるヒントとして、まずは書をとってみるのは悪くない。マクルーハンの原典をいきなり読むのは、けっこうしんどいからだ。 マクルーハンの光景 メディア論がみえる [理想の教室] (

    宮澤淳一「マクルーハンの光景 メディア論がみえる」 - モナドの方へ
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    tomad 2008/07/21
    おもしろかった
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