朴槿恵大統領の6月末の訪中で中韓関係は一気に深まった。注目すべきは両国が、安全保障と経済の関係強化に加え“人文同盟”も結んだことだ。「文化の同質性を手がかりに連帯を図る」と説明されるが、この「中韓協商」には冊封体制復活の臭いがする。 中国重視の“新思考外交” 韓国研究者が今、注目しているのが「人文紐帯」という韓国語だ。6月27日発表の中韓共同声明でも「安保」、「経済」に続いて3番目に「両国間の人文紐帯の強化」がうたわれた。 具体的には学術や伝統芸能の交流事業を実施するようだ。だが、なぜ専門の「交流共同委員会」を作るほど「人文紐帯」が重要なのだろうか。そもそも「人文」とは何を指すのだろうか。 答えは朴槿恵政権がスタートする直前の東亜日報の記事「韓米が価値同盟なら、韓中は人文同盟」(2013年2月22日付)にあった。内容は以下の通りだ。 ・米国との関係は市場経済や民主主義といった共通の「価値同
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