(英エコノミスト誌 2013年8月31日号) 世界最大の金融機関の一角を占める中国大手銀行4行は、おぞましい現実と向き合わなければならない。 「中国の銀行は本当の銀行ではない」。先ごろ中国の中信証券(CITICセキュリティーズ)に買収された証券会社CLSAのアンディー・ロスマン氏はこう話す。中国最大の金融機関は政府の支配下に置かれているため、実質的に財務部の出先機関になっている。 これらの金融機関は競争から身を守ってくれる規則に甘やかされ、好況時に巨額の利益を上げる。銀行の利益は昨年、中国の国内総生産(GDP)比で3%近くに相当していたが、米国の銀行がここ数十年間で達成した最も高いGDP比はわずか1%だった(2006年)。不況期には、1990年代に不良債権が急増した時と同じように、国が後ろ盾になって問題を片づけてくれる。 だが、中国銀行界の「ビッグフォー」を世界ランキングのトップに押し上げ