東京でこの10年余りの間に一番変わった街は秋葉原だ。不況で店を畳んだ電器店にマンガ・オタクのための店が入り、街が「マンガの国」のようになった。先日も、あの渋谷を押しのけ、若者が一番好きな街に選ばれた。「アキバ」というニックネームもついた。 今月9日、そのアキバで行われた自民党総裁選の遊説は異例だった。やってもやらなくても結果は見え透いている選挙遊説に若い人の波が押し寄せた。余談だが、最近日本で群集の年齢層を判断する方法は、「拍手か、カメラ付き携帯電話」なのだそうだ。若者は拍手代わりにカメラ付き携帯電話のシャッターを切るからだ。8月15日に小泉首相が靖国神社を参拝した際も、若い人々が持つ数百台のカメラ付き携帯電話が話題となった。 アキバの主人公は安倍官房長官ではなく「脇役」の麻生外相だった。安倍氏よりも13歳上の65歳。こんな麻生氏に「カメラ付き携帯電話の洗礼」が浴びせられた。麻生氏は今