「彼の独壇場(独り舞台)だった」などと言う場合の「独壇場(どくだんじょう)」は、「独擅場(どくせんじょう)」という言い方が正しいということを、最近聞きました。ほんとうでしょうか。 そのような場合の読みと表記は、確かに本来は、「独擅場(どくせんじょう)」ですが、「擅<せん>」が「壇<だん>」と誤読されて、「どくだんじょう」という言い方が定着しました。今では表記も「独壇場」が一般化し、放送でも「独壇場(どくだんじょう)」を使っています。 漢字の「擅」の読みは「せん」で、「ほしいままにする。ひとりじめにする。また、ひとりで自由に処理する」(『学研 漢字源』)という意味です。この文字を使った熟語の「独擅」は、「自分ひとりの思いのままに振る舞うこと」、「独擅場」は「その人ひとりだけで、おもいのとおりの振る舞いができるような場面・分野。ひとり舞台」(『大辞林』三省堂)で、もともとの読み方は「どくせん」
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