前回のエントリーに関連して 「咲の作画ってそんなに悪かったか?」みたいな誤解を受けたんで ちと補足 特定作品の作画というより水の表現についてです。 もちろん水や炎、煙といった自然物というのは描くのがとても難しい。 爆発に関しては磯さんという天才が現れて以降日々進歩し続けてるし 炎というのは実はどの炎もそう変わらないしCGでもいけちゃうんですね。 でも「水といえばこの人」みたいな代表的表現者ってのは意外といない。 気泡や水飛沫が上手い人は多いんだけど。 そういうのもあって、たゆたう波間やプールの水際の表現みたいなものが 大して発展しないまま今日ここまで来ちゃってないか?という気がするのですよ。 CG、エフェクトの発達で水らしいテクスチャや反射光は表現の幅を広げてるけど 液体と固体を分かつ境界線の表現はここ10年くらいほとんど変化がない。 表現の幅は広がっているはずなのに、相変わらずの寒天プー
********************************* ■磯爆発 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第01話 1989年 特別に描き込みが細かいとかではなく、既存の技術を巧みに応用し タイミングとフォルムの美しさでそれまでにない爆発を描き出した。 実線を使わずに色トレスとハイライトで質感を生み出し 泡のように無数に発生し膨張と収縮とを反復する煙の造形美が 磯爆発の特徴と言えるでしょうか。 今でも磯光雄さんの煙の表現はいろんな人に模倣され散見できます。 これは描けそう、描きたい、と思わせる力があまりに強すぎて それがスタンダードにまでなってしまった、ということかも。 ■吉成爆発 屍姫 赫 OP 2008年 磯爆発が厳密には爆発というより爆煙の造形美だったのに対し 吉成曜さんは爆発の瞬間のインパクト表現に立ち返っている感じです。 膨大な熱エネルギーによって発光する熱源と
別件でJavaScriptスライダーを使う用事があって 面白かったんで戯れに爆発スライダーを各種作ってみました。 用語をググる人や若い方にとって何かの参考になれば幸いです。 でも多分著作権違反なので、そのうち消すかもしれません。 ついでに爆発エフェクトの歴史について ちょこっと書いてみます。 ■金田爆発 「劇場版 銀河鉄道999」1979年 先だって急逝された金田伊功さんの爆発です。 この映画でクライマックスの惑星メーテル崩壊シーンとともに 「金田伊功」という名前が評判となりました。 これによって金田さんはエフェクト職人として地位を固め その後現在まで膨大なフォロワーを生み出し続けていくことになります。 ちなみに「金田伊功」以前の爆発表現というのは 以下のような感じでした。 海のトリトン 第03話 「輝くオリハルコン」1972年 マジンガーZ[OP]1972年 宇宙戦艦ヤマト 第02話 「
緋色の欠片 第12話 「決戦の刻」 鴉取マヒロとロゴス・ツヴァイの空中戦シーン この直前のカットはディーンにしてはかなりよく出来てるアクションシーンなんですが うしろのハーモニー大木の倒れ方。 こういう木の倒れ方って、数十年前から全然進歩しないですよね。 そろそろ考えたほうがいいんじゃないでしょうか。 大きい木はこういう風には倒れないです。 大木には当然太い幹があって、その幹も非常に丈夫なので こうなるか こうなりますよね 仮に真一文字に横倒しになる場合、広がった枝ぶりがクッションになるので どんな大木でも、倒れる瞬間に一度大きくバウンドします。 ドミノみたいに倒れるものじゃないです。 演出さんやアニメーターさんはチェンソー持って山に行けばわかります。 アニメファンの人はこういう雑なシーンを見せられたら、ちゃんと怒らないといけません。 誰も何も言わないから進歩がない。
(2002) あずまんが大王 第04話「楽しい職業/プールプールプール/りぼん/ふたりっきり/いいひと (プール!)」 プール作画というと有名なのはやっぱりこれです。 といってもさすがにもう10年以上経つので 若い世代には未見の方も多いかも gifアニメだと落ちているコマも多いので 本当はビデオで見て欲しいのですが 突然プール内に現れた木村、ゆかりとにゃもがドン引きし固まるフィックス 三点パースで作られた奥行きのある空間の静寂を 絶妙なタイミングで溺れるちよが破る ・頭部が水をヘルメットのように被ったまま水面から持ち上がる ・沈んでいくときなど、水面の下で生じる泡 ・さらに俯角、パースと後方に浮かぶ少女で不安定な重心と浮力を表現 ・にゃもがゆかりに向かっていくときの水の抵抗まで考慮されている ・水際の静かなゆらぎ ・水中で浮力により両腕が身体から離れる基本姿勢 ・中央左の人物は水位と身長の
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