話題の「21世紀の資本」だが、内容について風聞が色々と流れてくるので、拝読する前に噂をもとに感想を述べたい。 本書は、資本収益率(r)が経済成長率(g)を上回ることを長期経済統計を用いて示しつつ、それが起因して富の偏在が発生して問題だと主張している本らしい。例外的にr>gが解消された時期と理由などの論考もされているようだ。 1. r>gはつまらない事実 r>gと言う分析結果に面白みは無い。教科書的な新古典派成長理論であるRamsey Modelでも、時間選好率の分だけ、rの方が高くなる。Diamond OLGでは、時間選好率、人口増加率、資本分配率が高くなるほど、rがgより高くなる*1。r>gと言う事実だけでは、常識は覆されない。 2. rが安定的なのは興味深い 興味深いのはgを上げても、rがそれほど変化しないように書いてあるらしい。gをあげると問題解決になるそうだ。日本で高度成長期とバブ
![ピケティ「21世紀の資本」への噂からの感想](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f33f3e36f5d3e8aebf890ddcbc956919ec9e8f33/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2F1.bp.blogspot.com%2F-z3i0WL10vAM%2FVLhCMfmhZfI%2FAAAAAAAAMyA%2FohHg93k2Cbc%2Fw1200-h630-p-k-no-nu%2F%252B21%25E4%25B8%2596%25E7%25B4%2580%25E3%2581%25AE%25E8%25B3%2587%25E6%259C%25AC.png)