(カイロ)-ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日公表した報告書で、エジプトでは拷問が蔓延しており、民衆デモが湧き上がった要因のひとつが警察による拷問に対する抗議である、述べた。拷問事件を裁判にかけ、警察等の治安部隊に対する不処罰の連鎖の原因となっている非常事態法を廃止することが、エジプト政府の優先事項であるべきである、とヒューマン・ライツ・ウォッチは指摘した。 報告書「自白するまで拷問:エジプトにおける拷問の不処罰」(全95ページ)は、ムバラク政権下で、被害者の救済が行なわれない一方で、拷問の容疑者である法執行部当局者に対する捜査や刑事訴追が行なわれず、警察による虐待が容認されている実態を明らかにしている。 「拷問や警察の不処罰、つまり、拷問者が法の裁きを免れるシステムに終止符を打つために、エジプト人は街に出てデモを行った」とヒューマン・ライツ・ウォッチ中東・北アフリカ局局長代理ジョー・スト