日経ビジネス6月1日号の特集「日本の医療を救え」では、独自に作成した「病院経営力ランキング」を公表した。このランキングの反響は大きく、各方面から様々な意見を頂戴した。 「納得がいかない」――。がん研有明病院(700床)を核とし、100年以上の歴史を持つ公益財団法人がん研究会(東京都江東区)の理事長を務める草刈隆郎氏からは、こんな反論が寄せられた。草刈氏と言えば、日本郵船の社長、会長を歴任して経営改革に辣腕を振るうとともに、政府の規制改革会議の委員、議長として名をはせた人物。2011年4月、がん研に請われる形で、理事長に就任した。 当初は畑違いの領域に戸惑いながらも、持ち前の旺盛な改革精神で、経営改善に取り組み、確実に成果を収めてきた。「その間、いろいろ見えてきたものがある」と同氏は言う。 日経ビジネス「病院経営力ランキング」に覚えた違和感に加え、草刈氏が感じ取った病院経営の神髄について聞い