(2012年9月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏の危機で倒れた政府は1つだけではないが、これまで国民国家そのものの存続が問われたことはなかった。だが、スペインではそれが起きているように見える。今週、カタルーニャ州での分離独立熱の爆発が劇的に示した新展開だ。 9月11日、最大で150万人のカタルーニャ市民が「カタルーニャ、欧州の新たな国家」というスローガンを掲げてバルセロナの街頭に結集した。フランコ将軍の独裁体制が終わった後、高度に発達した地方統治システムの上に築かれた多民族国家スペインは今、分裂する恐れがある。 財政移転への不満が爆発 原因の一端はユーロ圏の危機にある。危機は容赦なく、スペインの財政的な取り決めの脆さを露見させた。この場合、比較的豊かなカタルーニャ州の市民は、年間経済生産の9%をマドリードの中央政府に差し出さねばならないが、自分たちの債務や給料の支払い義務