壊れた自宅からお地蔵さんを見つけた高校生たちに笑顔で話しかける松野良子さん(左)=20日午後2時すぎ、熊本県益城町 写真を見る 地域全体が被災し、多くの犠牲者が出た熊本県益城町。愛する家族を失った人たちはがれきが散乱する中、悲しみをこらえて、懸命に前を向こうとしている。 「お地蔵さんが見つかるなんて。母が『泣かんでよか』と言ってくれているような気がする」。20日、同町木山の松野良子さん(59)は、がれきの中から見つかった小さな像に手を合わせた。 自宅は16日の本震で倒壊し、母ミス子さん(84)が亡くなった。約40年前、父健さん(85)の運転する車が踏切で脱輪した時、通行人が近くにあった地蔵の赤い前掛けを振って列車を止めてくれた。以来、ミス子さんはその地蔵の前掛けを盆と年末に新調して掛けた。今回見つかった地蔵は、地蔵を大事にしたミス子さんのために、良子さんが父を助けてくれた地蔵とは別の高
14日の熊本地震を上回るマグニチュード(M)7・3を観測した16日未明の地震は、強い揺れを引き起こし、九州に甚大な被害をもたらした。熊本地震について政府は15日、日奈久(ひなぐ)断層帯(約81キロ)の北端付近が引き起こしたと判断。ところが16日の地震は、熊本県の阿蘇外輪山から宇土半島付近に延びる布田川(ふたがわ)断層帯(約64キロ)のずれだと専門家はみている。その後、震源域は北東側に大きく移動してきており、地震が次の地震を呼ぶ連鎖が懸念されている。 気象庁は、マグニチュードが大きい16日午前1時25分の地震を「本震」と位置づけ、熊本地震をその「前震」に格下げした。 本震をもたらした今回の震源は、日奈久断層帯北端の北側、布田川断層帯に乗っている。東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「16日の地震は、熊本地震をきっかけに布田川断層帯が約30キロにわたってずれたことによる地震だ」と指摘
福岡県は2012年、警固断層帯など県内の主要活断層が引き起こす地震による被害想定を見直した。警固断層(陸側)が活動すると、最大震度7の揺れを引き起こすという。県内では、建物倒壊による圧死を中心に最大死者1183人、負傷者は約2万2千人に上る。住宅やビルなどの建物被害の全半壊が約3万2千棟と想定している。 警固断層地震の揺れを想定する場合、断層の破壊が始まる起点をどこにするかで、被害地や規模が変わってくる。 最大の被害が出るのは、陸側の北西部が起点となるケースだ。起点から離れるほど揺れが大きく伝わり、朝倉市、福岡市、筑紫野市、太宰府市などの順に死者数が多い。朝倉市が多い理由として県は「計算上、揺れが伝わりやすい地盤が多いこともある」(防災企画課)と説明している。 さらに北西部のケースだと、建物倒壊などによる要救助者が7160人、避難者は4万1430人に及ぶ。一方、陸側の中央部が起点になる被害
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