日本銀行 2017 年 9 月 1 近年、共働き世帯が増加している。この背景としては、労働需給がタイト化するなかで、政府や企業の 女性活躍促進への取り組みが奏功していることが挙げられる。もっとも、中年層を中心に、老後不安の 高まりといった要因も、共働き世帯の増加に影響していることが示された。次に、共働き世帯の増加が 消費・貯蓄へ与える影響をみると、所得の増加を通じて消費全体を相応に下支えしていることが確認さ れた。一方で、共働き世帯の増加は、貯蓄率の上昇(消費性向の低下)にも寄与しており、2013 年頃か らマクロの消費性向が低下傾向をたどった一因と考えられる。 はじめに ~共働き世帯の増加~ 近年、共働き世帯の増加が顕著である。2012 年 以降、わが国の雇用者数は、労働需給がタイト化 する中、300 万人ほど増加している(図表1) 。そ の内訳をみると、女性、中でも配偶者ありの女性 は