組長のおっさんと話をすることになっても、石川さんは少しも動じているようには見えなかった。 サインを求められて震えていたボクとは大違いだ。 それがとても頼もしかった。 もしかしたら、内心では緊張しているのかもしれないけれど。 「やあやあ先生、今日はよくお会いしますな。お連れの美人な方は先生の恋人ですか。先生も隅に置けませんな!」 「ちっ、違います。編集さんですよ。ボクと編集さんは少しもみじんたりともそんな関係じゃありません。そんなこと言ったら石川さんに失礼ですよ」 「……はじめまして。川辺先生の担当編集をしています、石川真由です」 あれえ、なんでボク石川さんから睨まれてるの? あれか、やっぱり勘違いされて、気分が悪いのかな。 なにを誤解させてるんだ、もっとちゃんと早くに紹介しろってことでしょうか。 とほほ、と嘆いているボクに、おっさんは面白そうに笑った。 「ほっほお……。私の勘違いですか。そ
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