トイレが使えなくなり、大勢の人が同じ「衣装ケース」に用を足す。 想像できるでしょうか。 現実に起きたのが11年前に発生した東日本大震災でした。 トイレの備え、考えてほしいです。 (取材:社会部 清木まりあ / 編集:ネットワーク報道部 藤島新也) 宮城県石巻市で被災した山田葉子さんは、当時の避難所での経験を「恐怖だった」と振り返ります。 山田さんが避難していたのは石巻市にある小学校の体育館。 震災翌日にはおよそ800人が身を寄せていました。 しかし、トイレは津波の影響で下水が逆流し、使えない状態でした。 そんな中で避難所の担当者が見つけてきたのが、フタつきの透明な「衣装ケース」。 体育館のステージ脇にある暗幕で囲い、ケースのフタを取ってトイレの代わりに使うことになりました。 避難している人たちが皆で使っていたため、ケースの中には、ほかの人の便や尿があって、においもすごい状態でした。