2014年9月、軽井沢に日本とアジアをはじめとする世界各国の子供が寄宿する全寮制の高校を作る――。こんな目標を掲げて、日々、奔走する女性がいる。なぜ全寮制インターナショナルスクールを開校し、何を成し遂げようとしているのか。「ゼロから学校を作る」取り組みを追っていく。
2014年9月、軽井沢に日本とアジアをはじめとする世界各国の子供が寄宿する全寮制の高校を作る――。こんな目標を掲げて、日々、奔走する女性がいる。なぜ全寮制インターナショナルスクールを開校し、何を成し遂げようとしているのか。「ゼロから学校を作る」取り組みを追っていく。
“街の自転車店に、自転車を引いて小学生がやって来た。しかし、一言も発しない。店主がしびれを切らして「どうした」と聞くと、一言「空気」。タイヤに空気を入れてほしいことは百も承知で、店主は言った。「空気ならどこにでも、いっぱいあるよ」 ニュースキャスターの草野仁さんが、1月21日付の日経新聞夕刊で書いていたコラムである。会話ができない子供の急増を嘆く内容だが、今やこんな経験は、だれにでもあるだろう。私もその一人。なかでも印象深いのは約5年前、取材で訪れた大阪府茨木市内の公立中学校での見聞だ。 山間部にあるその中学校は3階建て、7コースのプールもあるが、肝心の生徒が62人しかいない。1学年1クラス、20人前後。ピーク時には3学年で310人が学んでいたという。 職員室に入ってくる生徒たちがやはり会話下手だった。「先生、そろった」「先生、部活」。その一言一言を校長先生自ら、言い直させていた。
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