アントニオ猪木(1943〜) 身長190cm 体重102kg 勝利の女神を張り飛ばし、幸運の女神に延髄斬り。それが猪木なのである。 アントニオ猪木ほど好き嫌いの分かれる人間もいないのではないだろうか? 猪木嫌いの人間にその理由を問うと、どこか曖昧な答えが返ってくる。要は猪木のことが理解できないのである。では猪木を好きな人間にその理由を問うと、理由というよりむしろそれは猪木史なるものを語っているにすぎなくなる。要はこちらも猪木のことを理解できてなどいないのだ。しかしこの両者には明確な違いがある。こう言い換えることができるだろう。猪木を好きな人間はそれを理解しようとしている人間、嫌いな人間は猪木を理解したくない人間。理解を越えたものを、それでも理解しようとする。駄目でモトモト、それでもやる。この捨て鉢の探究心こそが猪木ファンの正体だ。 燃える闘魂アントニオ猪木。この「闘魂」という言葉自体
ま、こんなもんでしょ……。 土曜日にやっていた「テレビ朝日が伝えた伝説のスポーツ名勝負」は基本的にはとてもおもしろかった。近鉄対ロッテにおけるジョークすれすれの神がかった大試合。リーグ優勝がかかった7時間を超えるダブルヘッダー。まるでマンガ「アストロ球団」のよう。これは泣けた。 しかしアリ対猪木のあのスタンスはどうか。いわゆるがんじがらめのルールのなかで懸命に真剣勝負をやった猪木。この猪木ベビーフェイス説に乗っ取った物語が大いに不満だった。そのあたりは大傑作「1976年のアントニオ猪木」が詳しい。 アリという超スーパースターに無理難題をつきつけられる猪木という物語。それがのちに猪木側がこしらえたストーリーなのは格闘ファンの間で有名だ。猪木は超エゴイストの人でなしであり、しかし過去のあらゆるカリスマ政治家や宗教家と同じくらいの天才アジテーターで、偉大な肉体表現者でもあった。そして関わった人間
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く