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  • 『ダークナイト ライジング』 そして伝説が、壮絶に、終わった - 1953ColdSummer

    ダークナイト ライジング THE DARK KNIGHT RISES 2012/アメリカ 監督:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイル他  極力ネタバレは控えておりますが、作品の内容に触れている部分もあるので、というか結構触れているので、神経質な方は作ご鑑賞後に稿を読んでいただけると有難いです。  冒頭、スペキュタキュルあっ噛んだ、すみません、わたし滑舌が悪いのでね。で、冒頭、スペクタクルに富んだ、あっこれは「富んだ」と「飛んだ」をかけているのですけどね、ハイジャックシーンを観てですな、わたしは悲憤慷慨し、両掌で顔を覆うと、訳の分からぬことを喚き散らしながら座椅子の背もたれにがんがん後頭部を打ち付けた。何ということが起きてしまったのだ。わたしは今何を目の当たりにしているのだ。これは、これでは、これだと、このまま行くと、まんま、『バットマン ビギンズ』そして『ダークナイト』

  • 醸成されつつあるは血と暴力と犯罪の匂い 『ドライヴ』 - 1953ColdSummer

    ドライヴ DRIVE 2012/アメリカ R15+ 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 主演:ライアン・ゴズリング 原作:ジェイムズ・サリス 『ドライヴ』  前評判も非常に高く、観た方面からは柏手で絶賛の嵐。魚河岸のボンも、能吏風のサラリーマンも、Twitterで繋がっておる海のものとも山のものともつかない古怪じみた映画マニアたちも、はは、均しくこの映画を誉めそやしておる様子は、情緒纒綿、喝采々々の多重奏の如き様子を呈しておる。曰く、「2012年ベスト1」。曰く、「ゴズりんに抱かれたい」。たはっ、それらの賛辞にわなないてしまったね、わたしは。わなないた以上、走るでしょう。走って『ドライヴ』を観に行くでしょう。そうしてひらひらとシネコンにたどり着いたわたしは、阿呆のような顔をして、『ドライヴ』のチケットをこれ購入、そして売り場でパンフレットを頭に乗せて遊ぶなどしておる内に上映時間と相成っ

  • MOVIE ENTER(ムービーエンター)で連載させていただいております - 1953ColdSummer

    今日という日はどこもかしこも姦しく、ちょっとした冗句を言うにも右顧左眄、軽々しく軽口を叩いてはいけぬような雰囲気が漂っており、あっ、そもそも軽々しいから軽口、ていうんだけどね、それは兎も角、軽口のひとつも叩けぬような空気に息を窒しかけ、半笑いで部屋の中でくるくる回っていたりしておったのだが、折角の日曜日に、かような呪われたような言動をしておってはご先祖さまに申し訳が立たぬわいっ、と、戦争中、南の島に漂着して原住民に「腹が減った」という意味のジェスチャーをしたら国王に祭り上げられたという顔も知らぬ曽祖父のことを思い出すなどし、同時にそれを語った半ば幽明の境を越えかけているような曾祖母のことも思いだし、アイヤ、と気合いを入れると、人間としての尊厳を回復すべく茶店に茶を飲みに行ったら3時の休憩時であって、ものすごくだるそうな給仕に、「注文は」と訊かれ、爽健美茶をオーダーするなどしたら、「コンビニ

    torinan
    torinan 2012/03/11
    ちょっと楽しみが増えたかも
  • 映画のために殴られろ、そして死ね。映画は売春じゃない! 『CUT』 - 1953ColdSummer

    CUT  2011/日 監督・脚:アミール・ナデリ 主演:西島秀俊  むかし、ごくごく少人数の仲間内で、活動写真すなわち映画を作ってみようではないかっ、という話があった。  日々の刺激に飢え、そろそろヒモ無しバンジージャンプにでも挑戦するかというような話が出ていた折であったので、一も二もなく皆「よし映画を作ろう」と代々木アニメーション学院の生徒(脚科)の如き顔をして言い、きゃいきゃいとほたえ騒ぎながら「社会派ドラマを作ろう」「ラブコメがやりたい」「ホラーに決まっているだろ」「ピンク映画がいいなあ」と顔を突き合わせ、意見を闘わせ、やはり、きゃいきゃいとほたえ騒いだ。  だが、ほたえ騒いでいる内が華、とはよく言ったもので、その仲間内の仕切りたがり、仮に名前を犬抜君としておくが、この犬抜君が、当にもう、万物を仕切るために生まれてきたような仕切りたがりで、彼が性を現すのにさほど時間はかか

  • 悪人は殺していいの? いいに決まってるよ! 俺がそう決めた! 『スーパー!』 - 1953ColdSummer

    スーパー! SUPER 2011/アメリカ R15+ 監督:ジェームズ・ガン  映画館で映画を鑑賞するに際しては、財布をスられたとかでない限り必ずパンフレット、サブカルオシャレ野郎風に言うとプレスを買うようにしておるのだが、シネコン、特にサービス・デイのときなぞは、売り場にちょっとした行列が出来ておったりして、これが中々に居心地が悪い。  イライライラ。列が全然前に進まないなぁ、イライライラ。と、この六文字のオノマトペだけで、わたしがどんな気持ちで列に並んでいるか察していただけようというものだが、その、列が、全然、前に、進まぬ、理由として、やはり最も大きいのは、レジでのやり取りが遅い、トロい、鈍臭い、これに尽きると思われる。  レジの前まで来てからどの映画のパンフレットを買うか考え出す者、不器用な手付きでこれまた不器用に小銭をひとつひとつ取り出し始める者、後ろの行列を考慮することをせず、売

  • トップダラー禍津が今年観た映画/2011年ベスト&ワースト+アルファ! - 1953ColdSummer

    はぁい! はぁい! はぁい!(口を半分開けてよだれを垂らしながら挙手)  今日は褌をキリリと締め込んで頑張ったのである。水周りの大清掃、買い出し、社会奉仕のどぶ攫え、ええと、これらを、下人に命じて自分は褌をキリリと締め込んでおっただけで、特にやることも無いので、そもそも何でこんなに周囲がバタバタしておるのかと思考を巡らせてみたところ、これはもう年の瀬が目前に迫ってきておるからであって、年の瀬、年の瀬、『Round ZERO 〜BLADE BRAVE』は相川七瀬、たはっ、おほほっ、と現実を逃避しマスターベーティングスマイル、うすら笑いを顔面に貼り付けたまま、とりあえず挙手してみた次第である。はぁい!    さてこうして挙手した以上、年末ならではの何か有意義なことをしなくてはなるまいね! と、発奮し、鏡を手刀で叩き割るなどしておったのだが、これがどうも虚しく、手も痛いし、泣けてきたのでプレイ

    torinan
    torinan 2011/12/29
    やっぱりブルバレはワーストですよねぇ。
  • 『宇宙人ポール』 映画愛の宇宙人、オタク野郎どもとの逃避行! - 1953ColdSummer

    宇宙人ポール PAUL 2011/アメリカ PG12 監督:グレッグ・モットーラ 脚:サイモン・ペッグ/ニック・フロスト 字幕監修:町山智浩  そういや、最近は滅多に超能力者が緊急来日しなくなったなぁ、超能力者は緊急来日してナンボじゃろが、こるぁ、なんてことをラーメン屋で畜肉ラーメンを啜りつつ考えておったのだが、最近、滅多に見ないといえばアレですよアレ、乳牛が、血を抜かれて惨死せしめられていたとか、畑に奇態な円形状のサークルが出来ておったとか、講談社に怪文書が舞い込んだとか、そういう地球外生命体の存在を示唆、或いは煽る、その手のコンテンツを最近とんと見かけないのである。前々首相のツガイ自体が地球外生命体コンテンツだったとか、ミラ・ジョヴォヴィッチが真面目くさった顔をして案内していた『フォース・カインド』だとか、そうした茶番、茶番と言って悪ければ道化、そんなものに化かされるコロコロコミック

  • わたしは断固として「チンチン」と呼ぼう 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』 - 1953ColdSummer

    タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 THE ADVENTURES OF TINTIN: THE SECRET OF THE UNICORN 2011/アメリカ G 監督:スティーヴン・スピルバーグ 製作:ピーター・ジャクソン他 脚:エドガー・ライト他 原作:エルジェ 『チンチンの冒険』を観てきたのである。  何に、或いは誰に配慮しているのかは知らないが、原題『TINTIN』を無理やり『タンタン』などと呼ばせるようなことは、チンチン君ならび原作者のエルジェ氏に対してこれ失礼極まりなく、また、スピルバーグのチンチン愛にハチミツをぶちまけるが如き思想の顕現であるとわたしは考えるので、以後、弊ブログでは『チンチン』で呼称を統一しようと思う次第。  チンチンの冒険。ユニコーン号の秘密。こうしたネーミングが持つ、一種の魔力のようなものを感じたことがあるだろうか。  過日、わたしは家の押入れの整理をし

    torinan
    torinan 2011/12/03
    チンチンのフジツボ!
  • 繋いだこの手があるから 『アベックパンチ』 - 1953ColdSummer

    アベックパンチ  2011/日 PG12 監督:古澤健 原作:タイム涼介 『アベックパンチ』  人込み、というものが嫌いである。  とは言い条、人込みが好き、なんてのは痴漢かスリくらいのものであろうと思うのだが、とにかく乃公は人込みというものが嫌いなのであって、満員電車に乗っては悲鳴を上げ、人気ラーメン店に入ってはほたえ騒ぐなどをし、何度か危うく、黄色い救急車が迎えに来るところであった。  これは映画館に向かったときなども同様で、映画の日に代表される割引適用日などは、もう映画を観る前から頭痛胃痛、幻覚幻聴にわけのわからない関係妄想なども絡んできて、ああ、空いているといいんだがなぁ……と思いつつ館内に入るとすでに人間がたくさん居たりして、この愚者、愚物、腐れたわけにうつけ者っ! と怒鳴り散らし片っ端から平手で頭を叩きたい衝動に駆られ、それを抑えるのに必死になっておるのだが、特にイオンに入っ

  • 『チョコレート・ソルジャー』 呑め! 蹴れ! 飛べ! でもメロドラマはやめるんだジージャー! - 1953ColdSummer

    チョコレート・ソルジャー  RAGING PHOENIX 2009/タイ  監督:ラーチェン・リムタラクーン 製作:プラッチャヤー・ピンゲーオ 主演:“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン  酒は狂い水、般若湯などと申して、これを呑むとたいへんに愉快/楽しい気分になり、そんな愉快/楽しい気分がそうさせるのか、奇行に走る人も少なくはない。具体的に言うと、ゴリラがくしゃみを堪えたような顔をして嘔吐物を撒き散らす、かと思えば修士論文の仕上げに向かうようなキリッとした真顔で、でも下半身は裸で、陰茎を上下にブラブラさせながら深夜の公園で懸垂をする、などである。こうした傍から見るとちょっと近付きたくない人、自分の人生の路地に佇んでもらいたくない人をいとも容易くえげつなく量産できるのが酒精のおそろしいところで、何と言われようが酔い喰らっている人たちは愉快/楽しい気分であり、シラフの人とは見えている世界

    torinan
    torinan 2011/11/09
    ジージャーたんかっこよすぎる。
  • 『探偵はBARにいる』 ススキノ探偵物語とファム・ファタール - 1953ColdSummer

    探偵はBARにいる 2011/日 PG12 監督:橋一 原作:東直己『バーにかかってきた電話』 「色は指南の外」なんて言葉があるように、他人の色恋沙汰にワガの首を突っ込んで得をすることなぞ殆ど無く、逆に損をすること、不愉快なこと、あほらしいこと、などにまみれた挙句、貴重な時間と労力を無駄に浪費してしまったという塊根に空虚な人となってしまい、遺書をしたためを揃えて崖からダイブ、南無々々。と、まあそんな人間が居たら遠くから見てみたいものであるが、兎角、他人の好いた好かんに口を出すのは、あまりよろしくない結果をもたらし勝ちなものである。  だが、わたしなりに考えてみると、他人の色恋沙汰なんてものは俯瞰すればするほど面白く、当事者とならん限りはこれ、いにしえより続いてきた最高の「人間コンテンツ」なのではなかろうかと思う。  以前、学生時代に、同期の桜であったゴリ君という人があって、その仇名の

    torinan
    torinan 2011/10/02
    二枚目半の美学
  • 45ポンドの終末世界をてくてくゾンビウォーク。 『コリン LOVE OF THE DEAD』 - 1953ColdSummer

    コリン LOVE OF THE DEAD  COLIN 2011/イギリス PG12 監督:マーク・プライス  小学生の折、下校中に、眉毛を片方剃り落とし首を斜めに傾げ、お茶碗を持って突っ立っておる人を見たことがある。  可笑しいもの、変なものには目が無い小坊のみぎりである。何か面白い人がいるなぁ、とマジマジとその人を眺めておったところ、一緒に下校していた同級生のゴリ君が、「ああいう人をじろじろ見ちゃいけないんだよ」とわたしの腕を引っ張るなどして、未練たらたら、渋々その場を立ち去ったのだが、成人し小坊のころに比ぶればやや思慮深くなった今思い返してみるに、あの日突っ立っておった人は、たぶん、ゾンビだったのであろうと思う。  何を妄言を抜かすか、ゾンビとは体崩れ人間をむものだ、貴様が見たのはただの変な人であろうが、と、仰られたい向きもあろうし、そんな気持ちも分かるが、まあ今しばしお待ち願いた

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