コロナ禍の影響で、ウイルスは死をもたらす病原体というイメージが強くなっている。だが、ウイルスが発見されたのは19世紀の終わりで、ウイルス学の歴史はわずか100年ほどしかない。 【写真】サーファーに納豆アレルギーが多い、その意外な理由 近年の研究で、ウイルスは私たちが想像する以上に、地球上でさまざまな役割を担っていることが徐々に明らかになっている。 その一つの例が、ミツバチに見られる。ミツバチの働き蜂は、オオスズメバチなどの天敵が現れると、巣を守るために針で外敵を攻撃する。針は一度使うと、相手の体に刺さって抜け落ちる。 これが致命傷となって、攻撃したハチは死んでしまう。自らの命と引き換えに仲間を守っているわけだ。この自己犠牲的な行動は、ハチの脳にどのようにプログラムされているのか、長らく科学者を悩ませてきた。 この謎を解き明かす一つの鍵となるのが、ほかでもないウイルスだ。働き蜂には、外敵が現
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